ワイズコンサルティング・グループ

記事番号：T00097333

＜登場人物＞
ワイズシステム副総経理　宇都宮武則
本コラムの筆者です。

台湾Ｓ電工　山田新一総経理
1978年千葉県生まれ、上場企業Ｓ電工の営業企画課長から2018年に台湾Ｓ電工の総経理として初めての海外駐在。２児のパパ、趣味は車で家族旅行。

　ペーパーレスや脱エクセルによる効率化をお手伝い致します。短期間で導入できる各種ソリューション（各種申請業務、見積もり・受注管理、業務日報など）をご用意しております。

前回までのお話
https://www.ys-consulting.com.tw/column/l/2189/

　宇都宮は里中董事長より申請業務のペーパーレス化を依頼されました。現状を整理した結果、kintone（キントーン）で作成する申請書は８種類に決まりました。

　土曜の昼下がりの台湾Ｓ電工の会議室。山田総経理と宇都宮の他には誰もいません。

　里中董事長との打ち合わせが１週間延期となったので、アプリ作成を進めておくことになりました。

宇都宮：こちら、お茶受けに買ってきました。

　四角い濃茶色の中にナッツのようなものが入っています。

山田：見たことのあるような、ないような。食べてみていいですか？

宇都宮：棗核桃糕と言います。クルミを棗餡（ナツメあめ）で固めたお菓子です。

山田：少し漢方風味ですね。クルミの食感がよく合います。

　山田総経理の趣味の一つに、台湾各地のお茶の飲み比べがあります。棗核桃糕に合うお茶を用意しますと言うと、会議室から出ていってしまいました。

　宇都宮はアプリ作りの準備に取り掛かりました。

異なる承認ルートも対応

　準備が整ったころに、山田総経理が急須を持って戻ってきました。

山田：その独特な風味を引き立てるには、この緑茶が合うと思いますよ。北部の坪林山区（新北市）の春摘み茶葉を発酵せずに作った緑茶です。

宇都宮：渋みがなく軽やかな新緑の香りが口中に広がりますね。

　緑茶を傍らに、アプリ作りが始まりました。

宇都宮：今日は「押印申請書」と「仕入先申請書」の２種類を作りましょう。

山田：お任せください。

宇都宮：押印申請書は既存のエクセルでは「人事書類、契約書、登記書類」の３つに分かれていましたが、申請書のレイアウトは同じですので１つにまとめます。

山田：それでは人事書類のレイアウトを元に入力画面を作成してゆきます。

　山田総経理がアプリ作りを始めました。並行して宇都宮は承認ルートを整理してゆきます。

山田：入力画面はできあがりました。（図Ａ）

図Ａ 入力画面

宇都宮：ありがとうございます。承認ルートは次の通りです。

・人事書類（申請者→管理部長）

・契約書　（申請者→部長→総経理）

・登記書類（申請者→部長→総経理→董事長）

山田：了解です。

　10分ほどでプロセス管理画面へ承認ルートの設定を終えました。

メールに通知も可能

宇都宮：動作確認をしましょう。

　宇都宮が申請者となって押印申請を登録すると、部長に見立てた山田総経理へ通知が届きました。（図Ｂ）

図Ｂ　通知

　このように自分宛に申請が来たときにはkintone（キントーン）のポータル画面に通知が届きます。

　この通知は、ポータル画面以外にもメールへ送ることもできますので運用に合わせて使い分けます。

　申請の進捗状況を確認したときには「ステータスの履歴」をクリックしますと、いつ誰が承認したか、を確認することができます。（図Ｃ）

図Ｃ　ステータスの履歴

　ステータスは日時の新しい順に並んでいますので、一番上が最新の状況です。

宇都宮：押印申請書アプリの完成ですね。

山田：完成です。

　２人は緑茶を飲み干しました。

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