ワイズコンサルティング・グループ

記事番号：T00097460

＜登場人物＞
ワイズシステム副総経理　宇都宮武則
本コラムの筆者です。

台湾Ｓ電工　山田新一総経理
1978年千葉県生まれ、上場企業Ｓ電工の営業企画課長から2018年に台湾Ｓ電工の総経理として初めての海外駐在。２児のパパ、趣味は車で家族旅行。

　ペーパーレスや脱エクセルによる効率化をお手伝い致します。短期間で導入できる各種ソリューション（各種申請業務、見積もり・受注管理、業務日報など）をご用意しております。

前回までのお話
https://www.ys-consulting.com.tw/column/l/2189/

　台湾Ｓ電工の会議室で山田総経理と宇都宮の２人は、kintone（キントーン）のアプリ作りをしています。

宇都宮：次は仕入先申請書です。新規の仕入先との取引を申請する際、必ず仕入先の与信調査が必要というルールです。

山田：既存のエクセルでは２つの申請書「仕入先申請書」「仕入先与信調査依頼書」に分かれています。（図Ａ）

図Ａ 仕入先申請書

宇都宮：これを、このような流れで１つの申請書にまとめます。

　大型モニターに映して説明しました。

１．与信調査依頼：購買部の申請者から管理部へ依頼します。

２．与信調査結果添付：管理部は調査会社へ依頼し、調査結果が届いたら申請書へ添付します。

３．与信調査結果確認：申請書は一旦申請者へ戻され、申請者は調査結果を確認します。

　ここで、もし与信の調査結果が不適格であれば申請を取り下げます。

４．仕入先の申請：申請者は仕入先として採用することを購買部長へ申請します。

５．購買部長の承認：購買部長が承認もしくは却下します。承認すれば総経理へ申請が上がります。

６．総経理の承認：総経理が承認もしくは却下します。承認されれば申請者と管理部会計に通知されます。

複雑な承認ルートも間違えず

山田：承認ルートは少し複雑ですが、アプリに組み込んでしまえばシステマチックに申請が流れるので間違うことはありませんね。

宇都宮：それでは私が入力画面を作りますので、承認ルートの方を考えておいてください。

　宇都宮は既存エクセルの仕入先申請書と仕入先与信調査依頼書のレイアウトを頭の中で組み合わせました。（図Ｂ）

図Ｂ 仕入先申請書と仕入先与信調査依頼書を組み合わせたレイアウトのイメージ

　出来上がった入力画面は山田総経理へ渡されました。

　山田総経理は申請の流れに合わせた「ステータス」を考えました。

　それをアプリに設定して承認プロセスを完成させました。（図Ｃ）

図Ｃ　承認プロセス

宇都宮：想定通りに承認ルートが動作するか確認しましょう。与信調査依頼を送ります。

　宇都宮が申請者となって、山田総経理の扮する管理部の与信担当者へ依頼を出しました。このときのステータスは「与信調査依頼中」です。

山田：調査依頼が届きました。それでは、調査結果票を添付します。

　与信担当者が与信結果票を添付するとステータスは「与信調査完了」となりました。

宇都宮：確かに与信結果票が私（申請者）のところへ戻ってきました。

　次に申請者は与信結果票を確認します。与信内容が適格ならば購買部長へ申請します。不適格ならば申請を取り下げます。

宇都宮：与信は適格ということにして購買部長へ申請を上げました。

山田：申請が届きました。

　購買部長以降は、総経理へ申請が上がって、最後は会計担当が確認して終了です。

　さらに、もう１件申請を登録して与信不適格のときを確認しました。

宇都宮：問題ありませんね。

山田：問題ありません。仕入先申請書アプリの完成です。これで来週の訪問時には４種類の申請書をお見せできます。

　２人は一息つき、緑茶のおかわりを注ぐと棗核桃糕（クルミをナツメあめで固めたお菓子）をいただきました。

　窓からはオレンジ色の西陽が差し込んできました。空は夕焼けです。

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