ワイズコンサルティング・グループ

記事番号：T00097712

＜登場人物＞
ワイズシステム副総経理　宇都宮武則
本コラムの筆者です。

台湾Ｓ電工　山田新一総経理
1978年千葉県生まれ、上場企業Ｓ電工の営業企画課長から2018年に台湾Ｓ電工の総経理として初めての海外駐在。２児のパパ、趣味は車で家族旅行。

　ペーパーレスや脱エクセルによる効率化をお手伝い致します。短期間で導入できる各種ソリューション（各種申請業務、見積もり・受注管理、業務日報など）をご用意しております。

前回までのお話
https://www.ys-consulting.com.tw/column/l/2189/

新商品の申請書と出店稟議書

　山田総経理と宇都宮は８種類の申請書のうち残りの２種類を作成するため、里中董事長から預かったエクセルの申請書を精査しています。

　新商品申請書には２つの用途があります。（１）新しい商品を開発するときの承認申請と（２）開発された商品を店舗で販売するときの承認申請です。営業部長が申請します。承認ルートは、総経理→董事長です。

山田：商品開発の申請は董事長承認が下りたら一旦営業部長へ戻すルート設計にしましょう。商品化できたら引き続き営業部長より店舗販売の申請を上げます。商品化できなかった場合には営業部長が申請を終了させる流れでいきませんか？

宇都宮：そうしましょう。

　次の出店稟議書は新しく店舗を出店する際に営業部長が申請します。承認ルートは、総経理→董事長です。

山田：こちらの出店稟議書の承認ルートは「総経理→董事長」と単純ですが、添付すべき資料が多いですね。

宇都宮：確かにそうですね。例えばこの店舗の見取り図はＡ３で枚数も多いので、わざわざＰＤＦに撮ってアプリ上に添付するのは現実的ではありません。これらの書類には、アプリから発行される申請番号を付けて回覧するのがよさそうです。

　山田総経理はホワイトボードに大まかな画面レイアウトを描き出しました。

山田：新商品申請書のメニュー分類はラジオボタンに、結果はドロップダウン形式にします。

　レイアウトの微調整を終えると、２人はアプリ作りに取り掛かりました。

　しばらくして山田総経理の新商品申請書が先にできあがりました。（図Ａ）

図Ａ　新商品申請書

　前半は商品開発申請、後半が店舗販売申請になっています。

　申請承認ルートは「営業部長（申請）→総経理（承認）→董事長（承認）→営業部長（一旦戻り）→総経理（承認）→董事長（承認）」となりました。

　宇都宮の出店稟議書もできました。（図Ｂ）

図Ｂ　出店稟議書

　２つのアプリが正しく動作することを確認しました。

　日は変わり、２人は約束の日に里中董事長を訪問してＺ社のkintone（キントーン）環境へ２つのアプリを移しました。

　これで依頼のあった全てのアプリの納品が終わりました。

時間のロス減少を実感

　そこへ里中董事長が現れました。

里中：前に納品してもらったアプリは順調に使われていますよ。

土井：思ったとおり、直ぐに紙の使用が減りました。

里中：プリンターの印刷代や紙代はたかが知れていますが、それよりも効果が出ているのは、人の移動や承認の待ち時間による業務ロスが減ったことです。

山田：それはよかったです。

土井：そのあたりを来月には数値で報告できると思います。

里中：よろしく頼みます。

宇都宮：導入間もなく効果が実感できて幸いです。

　kintoneの導入メリットには、全てのアプリの完成を待つことなく、このように使いたいアプリから五月雨式に利用できる点があります。

里中：一段落したところで次の課題をお話しましょう。

　土井総経理は宇都宮へ厚さ１センチほどの説明書を渡しました。

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