ワイズコンサルティング・グループ

記事番号：T00097076

＜登場人物＞
ワイズシステム副総経理　宇都宮武則
本コラムの筆者です。

台湾Ｓ電工　山田新一総経理
1978年千葉県生まれ、上場企業Ｓ電工の営業企画課長から2018年に台湾Ｓ電工の総経理として初めての海外駐在。２児のパパ、趣味は車で家族旅行。

　ペーパーレスや脱エクセルによる効率化をお手伝い致します。短期間で導入できる各種ソリューション（各種申請業務、見積もり・受注管理、業務日報など）をご用意しております。

前回までのお話
https://www.ys-consulting.com.tw/column/l/2189/

　里中董事長のＺ社は台北に８つ、高雄に２つのお店を構えるラーメンチェーンです。今年の経営テーマの一つにペーパーレスを掲げており、その手始めに申請業務の電子化を宇都宮へ依頼しました。

出張申請と精算を一元管理

　これまで現状を整理した結果、必要な申請書は８種類になりました。（図Ａ）

図Ａ　申請書を分類

　山田総経理と宇都宮は次回お持ちする「出張申請書」と「本部採用離職申請書」の作成に取り掛かっています。

　２人はＺ社から預かった現在申請に使っているエクセルに目を通しています。出張に関わる申請書は２種類「出張申請書」、「出張旅費精算申請書」があります。

　出張後には必ず旅費精算をしますので、現在の「出張申請書」と「出張旅費精算申請書」は１つにまとめて「出張申請書」とすることにしました。

　そこで出張申請の承認ルートを整理してみました。このルートは、kintone（キントーン）ではプロセスと言います。（図Ｂ）

図Ｂ　出張申請の承認ルート

山田：出張申請書は「１．出張申請」と「２．出張旅費精算申請」の流れがあります。「１．出張申請」が完了して会計担当者の確認が終わったら、一旦出張者（申請者）へ戻しておきます。

宇都宮：そこまでは既存の出張申請の流れですね。

山田：その後、出張から戻りましたら出張申請書を使って「２．出張旅費精算申請」を行います。

宇都宮：そうすることで出張申請と出張精算が１つにつながります。申請書の流れの最後には、会計担当者から出張者への旅費支払い完了までを含めておきましょう。

山田：出張申請書アプリ１つで、出張申請から始まって旅費精算までが一元管理できるようになりますね。

　２人は再度このしくみで間違いがないかを確認すると、

宇都宮：それでは、入力画面、プロセス管理の順番で作成してゆきましょう。私が入力画面を作成しますのでプロセス管理の方を設計しておいてもらえますか？

山田：分かりました。

　２人は手分けして出張申請書アプリ作りに取り掛かりました。

　出来上がった出張申請書アプリの入力画面です。上部の出張申請と下部の旅費精算に分かれています。（図Ｃ）

図Ｃ　出張申請と旅費申請

山田：プロセス管理の方を設定してゆきます。

宇都宮：お願いします。

山田：出張申請は「未処理」から始まって部長の承認を経て総経理の承認まで完了したら一旦出張者に戻ってきます。ステータスは「出張申請確認済」です。

宇都宮：ここまでで出張申請が完了です。続いて旅費計算ですね。

山田：出張から戻って旅費精算を申請するとステータスは再び「部長へ精算申請中」になります。

宇都宮：はい。

山田：部長の承認を経て、総経理の承認まで完了したらステータスは「精算決裁完了」となります。

宇都宮：はい。

山田：申請書は会計担当まで回りました。会計担当が出張者へ旅費を支給したらステータスが「旅費支払完了」となります。

宇都宮：これでプロセスの設定が終わりましたのでアプリの動作確認に入りましょう。

　宇都宮が出張者と会計役、山田総経理が部長と総経理役となって正しく動作するか確認が始まりました。

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