ワイズコンサルティング・グループ

記事番号：T00103992

＜登場人物＞

ワイズシステム副総経理　宇都宮武則

本コラムの筆者です。

台湾S電工　山田新一総経理

1978年千葉県生まれ、上場企業S電工の営業企画課長から2018年に総経理として初めての海外駐在。2児のパパ、趣味は車で台湾各地を家族旅行すること。

前回までのお話

https://www.ys-consulting.com.tw/column/l/2189/

　kintone（キントーン）は無料でご利用できるサンプルアプリを多数ご用意しております。

https://kintone-sol.cybozu.co.jp/apps/

営業支援パックで一元管理

　サンプルアプリの一覧を見ていた山田総経理の目線が止まりました。

山田：懐かしい！営業支援パック。

宇都宮：３年前に導入しましたね。

https://www.ys-consulting.com.tw/column/84775.html

　営業支援パックは簡易なCRM（顧客関係管理）です。「顧客管理、案件管理、活動履歴」の３つのアプリから構成されています。（図A）

図A　営業支援パック

山田：わが社の活用例も交えて説明しましょう。

宇都宮：お願いします。

山田：顧客管理には顧客の基本情報を登録します。（図B）

図B　基本情報の登録画面

宇都宮：kintoneでは別々に作成したアプリをつなげることができますよね。

山田：はい、顧客管理は他の２つの案件管理、活動履歴とつなげられますので顧客管理を見れば案件の進捗状況や営業の活動状況を把握できるのです。（図C）

図C　案件一覧と活動履歴

　山田総経理はさらに付け加えます。

山田：わが社ではこの顧客管理に、与信情報や納品した製品情報、保守メンテナンス情報などを付け加えています。こうして顧客管理を開けば、顧客に関わる全ての情報が分かるようになっています。

宇都宮：そうなると、情報の閲覧も制限が必要となりますよね。

山田：はい、kintoneでは項目ごとに閲覧可否を設定できますので、例えば与信情報は営業部門と部長以上しか見えないように設定しています。

宇都宮：貴社の顧客管理のやり方をもう少し分かりやすく説明してもらえますか？

　山田総経理は「任せなさい」というポーズを見せました。

山田：では、顧客情報が登録されるタイミングから追って説明しましょう。わが社では、お客様からお問い合わせがあれば全て登録しているのです。

宇都宮：例えば電話での問い合わせもですか？

山田：はい、訪問するしないを問わずにまずは何でも登録します。同時に活動履歴に問い合わせ内容や対応した内容も入力しています。これらの顧客情報はメルマガの他にもセミナーや展示会の案内に活用しています。

宇都宮：なるほど、大切な情報ですね。

山田：そして営業が訪問するごとに活動履歴へ商談内容を入力させています。

宇都宮：かなり手間ではないですか？

山田：それが簡単なのです。kintoneは商談が終わったあとにすぐさまスマホから入力できます。同時にお客様から預かった宿題事項をコメント欄に入力しておけば後から確認することができて便利なのです。

宇都宮：入力された活動履歴は即座に上司も確認できますね。

山田：はい、そのおかげで上司への報告時間も短縮されましたし、コミュニケーションも良くなりました。なにより都度会社へ戻って日報を書く必要がなくなりました。

チャンスを逃さない

宇都宮：案件管理の登録はどのタイミングでしょうか？

山田：営業担当者がお客様に製品の検討意欲があると判断したときに案件情報を入力しています。

宇都宮：顧客情報を他にはどのように使っていますか？

山田：例えば製品の納入時期から、そろそろ新しい機種への更新時期だと分かりますので、競合が入り込む前にプッシュ営業をしています。実際、他社への買い替えが激減しました。（図D）

図D　納入一覧と保守契約一覧

宇都宮：なるほど、偉い使い方ですね。

山田：あるいは保守契約の更新です。これまで保守契約は営業担当が自分で記録しておりましたので更新時期を逃すことも少なくありませんでした。今は期限１カ月前になるとkintoneから営業担当と部長宛に通知が来ますので、忘れることはなくなりました。

宇都宮：うまく使われていますね。

山田：ざっとこんな感じです。顧客情報を一元管理できたことは大きなメリットでした。

　山田総経理は、このようにkintoneのサンプルアプリであった営業支援パック（顧客管理、案件管理、活動履歴）から使い始めて、今では顧客情報を一元管理できるまでに発展させています。

　サンプルアプリ探索が続きます。

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