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駐在員人生考5(起業への途 その5)


コラム 経営 台湾事情 作成日:2006年8月28日

台湾経営マニュアル 台湾駐在員編

駐在員人生考5(起業への途 その5)

記事番号:T00000106


● 起業家への途まとめ

先日、日本から台湾に遊びに来た友人を連れて行天宮の側に有る占い横町へ行ってきました。

友人が「どこが当たるのかな?」とガイドブックを見ながら占ってもらうところを探していたので、「ここがいいよ」と、一人のおじいさんの占師を紹介しました…

この占師は7年程前、私が起業したての頃、今回と同じく日本から観光に来ていた二人の友人と一緒に見てもらった人なのです。

その頃の私は起業したてでしたが、事業が軌道に乗らず悩んでいる時期であり、自信喪失していた時期でありました。

日本から来た二人の友人と一緒に「当たるかどうか試しに、聞きたい事をあえて言わずに黙って座っていよう」と、各人の占ってほしい事を事前に3人の中では決めていました。

一人の友人は家庭の事、もう一人は未婚だったので結婚の事、そして私は自分の会社の事を占ってもらう事にしました。

占師のおじいさんは、友人の二人の聞きたかった事をズバズバと答え、それ以外の事にはいっさい触れなかったので、三人とも驚いていました。

いよいよ私の番になり席に座ると、占師が突然「貴方は自分の事業をしているが、あまりうまくいっていない」と言われドキッとしました。

その頃の私は若く、事業がうまくいっていなかったので自信を喪失していて、覇気が無く痩せており、 誰が見ても経営者には見えない状態でした。

それなのに、この占師は一目で会社を経営している事を言い当てたので驚いたのです。

占師はつづけて「35歳までは苦労するよ。だけど諦めてはいけない。

35歳以降は、生活が安定する。40歳を過ぎると事業は成長に向かい、

45歳には成功しているだろう。」と言われました。

私は元来、占いを信じる方ではないのですが、自信を無くしていた私には心強い内容だったので、信じて努力する事にしました。

それからは、事業上で様々な苦労に直面しても「35歳までは、40歳までは…」と自分に言い聞かせてモチベーションを維持してきたつもりです。

モチベーションを保って努力してきた結果、今のところは占いどおりになっているのではないでしょうか。

7年ぶりに再会した占師のおじいさんは、以前の様な迫力は無くなっていましたが、「7年前に貴方に占ってもらった事を心の支えにしています。」と言ってお礼を言いました…

起業という選択をしたならば、一番のポイントは「情熱」というモチベーションを何時まで維持出来るかです。

最初に起業した時は夢があり皆モチベーションは高いのですが、問題は経営が少し安定してきた頃です。

飽きたからといって勝手に止めるわけにもいきませんし、テレビゲームの様には直ぐ結果に現れないのに努力を長年続けてゆかなければならないのです。

何でも結構ですから、起業時の情熱を維持する方法を持つのも一つの方法かもしれません。
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

台湾経営マニュアル台湾駐在員編

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