台湾10年間の移り変わり(ビジネス編1)


2006年8月28日  コラム 台湾事情

台湾10年間の移り変わり(ビジネス編1)

記事番号:T00000112

 
● 意識の変化(金銭に対する意識)

台湾人の金銭に対する執着心は以前より少なくなってきています。

例えば弊社では社員の意識調査のサービスを提供しておりますが、「仕事の対価として何を望むか」という質問項目に対し、以前は「金銭」という答えが一番多かったのですが、最近の調査では
「安定性」「仕事への充実感」「自己の成長」を望む人が増えてきています。

その他にも、以前は収入増加の為には手段を選ばないという人を多く見受けましたが、最近はこの様な人を見かける事が少なくなってきました。

今回は、台湾人の金銭に対する意識の変化を採り上げます。

●節約とケチ

私は「節約」と「ケチ」は似ていますが全く意味が違うと考えております。

これは私の考える定義ですが、「節約」とは「無駄なお金を使わない事」で、「ケチ」は「必要なお金も出し渋り、節約しているつもりでも実際には余計にお金が掛かっている」事だと思っています。

会社を設立して間もない頃、こんな事がありました…



ある日、台湾の大手企業から企画の依頼を頂きました。

その頃のメンバーは私も含めて3人でしたが、「会社設立以来の大チャンス」と全員で企画を考えプレゼンに行く時の事です。

社員A「社長、タクシーで行くのですか? 未だ依頼を頂いていないので交通費はわが社の負担になります。バスで行きましょう。」

私は納得できませんでしたが、社員Aがそこまで会社の事を考えているのが嬉しく「う~ん。そうしようか」と答えてしまいました。

すると、社員Bは「お客さんのところまで歩いて行けない距離ではないので、歩いてゆきましょう。そうすれば交通費は0で済みますよ。」

社員Aも「それはいい考え」と同調し、3人で往復1時間の道のりを歩く羽目になってしまいました。

歩きながら社員AとBは二人で「タクシーなら往復100元する金額が節約できた。うちの社長はコスト意識が低くて…」と嬉しそうに話していました。

その時は二人の会社を思う気持ちが嬉しかったのとプレゼン前に余計な事を考えたく無かったので、あえて否定はしませんでしたが、社員達がこの様な「節約とケチの穿き違い」に気付かない程度にしか教育をしていなかった自分を情けなく感じていました。

タクシーで往復10分の距離を歩けば1時間かかります。

私も含め3人の50分間の給料は100元で済む金額ではありませんし、3人が50分で生み出す付加価値は当然人件費を上回る必要があります。

経営をコンサルティングする会社の社員が、10円安いスーパーに行く為に1時間自転車をこいで行く家庭主婦と同じコスト意識だったわけです。

先月、1,000元安いパソコンを購入する為に2日間も色々な所と価格交渉した社員がいましたが、実は今もあまり変わっていないのでしょうか?(ちなみにこの社員は今は部長になっていますが、前述の「社員B」です。)
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

台湾経営マニュアル台湾駐在員編

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