記事番号:T00000141
●経営コンサルタントの種類
一口に経営コンサルタントと言っても、その種類やレベルは様々です。
例えば、日本人で台湾通というだけの経営コンサルタントも存在しますし、会社設立やビザ申請といった代行業務をしている経営コンサルタントもいます。
今回はコンサルタントを幾つかの切り口で分類してみます。
1. 出身別による分類
(1) 企業内のスペシャリスト出身
企業内でスペシャリストとして活躍した後、独立或いはファームにて、経験を基にコンサルティングを行うタイプです。
高齢者が多く、専門分野の実務経験は深いものの、担当部門での部分最適化になりやすい。
新しいノウハウやコンセプトの確立は苦手。
(2) コンサルティングファーム出身
ある程度の経験を積んだ人ならクライアントディベロップメントやコンサルティングノウハウ・コンセプトの確立ができます。
ファームから独立した人は直後は過去のクライアントからの依頼でやっていけるものの、時間が経つとノウハウや人脈が枯れてゆくパターンが多い。
(3) 同業種出身
台湾人に多いパターンで、「以前コンビニの總経理をやっていたから小売業のコンサルタント」的なコンサルタントです。
業界に関しては詳しいが、クライアントが出身企業より進んでいる、或は大きな企業の場合はコンサルティングテーマを提案しにくい。
(4) その他
本業ビジネスの延長としてコンサルティングを行うタイプ。
ノウハウも経験も少ない場合が多いが、目的は本業のビジネス獲得なので、フィーは低め。
2. コンサルティングテーマによる分類
(1) 戦略立案型
難易度は一番高く、一般的にコンサルティングフィーも高い。外資系ファームに多く、コンサルタントの能力次第で成果に大きな差が出る。
(2) 制度・システム導入型
「○○診断」を行い、その結果「○○システムの導入」という提案をおこなう。
いつも方向性は似通っており、ISO等もこの分野に含まれる。
弊社は(1)を目指しているが、日系企業からはこの分野の依頼が一番多い。
(3) アドバイス型
わからないところについての駆け込み寺的なコンサルティング。
顧問契約という契約形態が多く、コンサルティングフィーは低目だが、クライアントが増えてこえばコンサルタント側の収入は安定するメリットがある。
(4) 請負型
コンサルタントの立場から言うとリスクが高く、高いフィーを貰わなくては成り立たない。
ブローカー型のビジネスを行う代わりに、低いフィーで請け負うコンサルタントもいる。
(5) 教育訓練・セミナー専門型
業界では「教育屋」と呼ばれ、駆け出しのコンサルタントに多く、1回当りの収入は少ないものの、回数が多くなりやすく、いつも同じ様な話をしていれば良いので努力も少なくて済む。
台湾系ファームの多くはこの業務がメイン。
コンサルタントからすると、クライアントには「先生」と呼ばれ楽だが、インプットが無いので魅力は少なく、ファームでいつまでもやっていると出世できない。
3. 年齢による分類
(1) 若いコンサルタント
若さと元気の良さが売りで、コンサルティングに夢を持っていて斬新なアイディアが豊富。
短所は理想を追い求め過ぎる事と経験が少ないこと。
筆者も若い頃はクライアントに「~確かにそうだが、そうは言っても‥‥。」と言われた事が多かった。
(2) ベテランのコンサルタント
外資系ファームでは、この時期を過ぎるとパートナーになるしか、社内に残る道は無くなる。
コンサルタントとしては一番油が乗っている時期である。
(3) シルバーヘアーコンサルタント
企業を退職した後、実務経験とノウハウを後輩に教えるというタイプのコンサルタント。
ファームで働くのなら問題は無いが、独立はクライアントディベロップメントが出来ない為、失敗となるケースが多い。
ワイズコンサルティング 吉本康志