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阿痩皮靴(A.S.O)は1952年、靴磨きをしていた羅水木氏が、道端の露店で靴を売ったのが事業の始まりでした。息子の羅栄岳氏は83年に経営に参画、その時点でチェーン経営の時代が来ると予想して店舗網拡大に務め、当初4店だった「阿痩皮靴」は現在では直営店だけで300店以上の企業に成長しました。今年9月には台湾の靴販売業者として初めて興櫃市場(未公開株取引市場)への上場も果たしました。今回は同社を経営する羅栄岳董事長を紹介します。
若い女性店長の意欲刺激
阿痩皮靴の店長の97.5%は女性で、80年代生まれが45%を占めています。若い女性店長たちのモチベーションを向上させるために羅氏は、売上目標を達成すれば、ブランド品のバックや海外旅行をプレゼントするという褒賞システムを採用しました。
台湾全土を17〜20店舗ごとに11地区に分けて月間売上高を競わせ、1カ月の売上高の達成状況に応じて、ブランドバッグを店長にプレゼント。毎年1〜2月の繁忙期に2カ月連続で目標を達成したら海外旅行、といった具合です。同じ地区内の支店は互いに助けうことになり、支店間の無意味な競争を防ぎます。また、業績の達成率に応じてバッグなら最高4万5,000元のものから2万元のものまで、海外旅行の行先は欧州から東南アジアまでとプレゼントの内容も変化をつけています。
「お手本」学習の制度
各店では毎日10分間の朝礼を開き、業績1位の社員から経験談や成功の秘訣(ひけつ)を聞く「お手本」学習という形で社員教育を徹底しています。本社の営業企画課では成績優秀者のエピソードや情報をまとめ、すぐに社内ネットワークに掲載します。これを毎朝、各店長が販売員に通達。全社員が短い時間で、最も有益な「成績1番」のセールのコツを共有しているのです。
「のれん分け」を奨励
阿痩皮靴は、店長職3年以上で業績などが合格ラインに達している店長に対し、店舗の独立経営を支援しています。独立希望者は経営企画書を提出、店舗規模により100万〜150万元を保証金として出資し、保証金の利息および20〜30%の利益分配を得ます。独立店の店長は自分なりに経費節約や利益率アップに努力することになり、さらに積極的に業務に取り組むことになります。
また、羅氏は店長会議や忘年会などの行事に出席する場合には、社員への励ましや称賛を欠かしません。末端の社員の日ごろの努力を、地区長や店長だけでなく、経営幹部にまで知らせ、全員のモチベーションを上げるのです。社員を励ます方法はさまざまですが、最適な方法を見つけて社員のやる気を引き出すことが羅氏の経営哲学と言えるでしょう。
荘建中
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