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微風広場(ブリーズセンター)は、台北市初の大型ショッピングセンター(SC)として2001年10月にオープンしました。当時、わずか500メートルの距離にある太平洋崇光百貨(太平洋そごう)忠孝本館との間でテナントや人材の争奪戦が展開され、多くの困難に見舞われました。しかし、何よりもブランドイメージを大切にする経営方針を貫いたことで、ブリーズセンターは今や流行の代名詞として、その地位を確固たるものにしました。今回は当時30歳でその重責を担った廖鎮漢氏を紹介します。
高級イメージを確立
ブリーズセンターを体現するDMには、流行の最先端であることを示すために、ファッション雑誌のようにモデルや人気の芸能人をイメージキャラクターに起用し、カタログやキャンペーンのポスターなどにも広く使用しています。ちなみに初代のイメージキャラクターはモデルの林志玲でした。廖氏はDMの狙いについて、「一般の百貨店のDMのように『原価』『特価』『限定』といった情報を知らせたいわけではない。われわれはブリーズセンターのブランドを知ってほしいのだ」と話しています。
ブリーズセンターは自社ブランドの「微風超市」の育成やニューヨークから招き入れた高級食材専門店「Dean&Deluca」にも注力しています。特にDean&Delucaは、当初台湾では冷たい惣菜が一般的でないため苦戦を強いられました。そこで廖氏は、温かい惣菜を販売するようにし、5つ星ホテルのシェフをチーフとして招き入れ、丸荘醤油など台湾の高級食品メーカーとも協力するなど改善に取り組み、消費者の支持を得ました。
顧客を差別化
毎年特定の日の夜にVIP客だけが入場できる「微風之夜」を開催したことは、大変画期的なことでした。年ごとに「黄金のエジプト」、「アフリカの星」などさまざまなテーマで開催され、ブリーズセンターの特色の一つになっています。
「VIPだけを相手にする」というコンセプトに当初は猛烈な批判が起き、内部で相当意見が分かれたそうですが、廖氏は「顧客の差別化はわたしの発明ではないし、外国では成功している」と押し切りました。毎年の開催で、非常に良好な売り上げを記録しています。
信義区にも進出へ
廖氏は「悪魔は細部に宿る」との信念の下、安全管理に警備会社を使わず、自社で専門チームを組み、彼らから毎日提出されるレポートに目を通して、館内で何が発生したのか、どんなクレームがあったのか、その理由、解決方法、それに対するお客の反応などを把握するようにしています。
廖氏は常に革新を続けるという考えの下、微風2館(忠孝東路)、微風3館(台北駅美食街)など次々と新店舗を展開しています。11年には5億台湾元を投じて信義計画区A3の地上権を借り受け、セレクトショップのほか、低価格服飾ブランドなどを誘致する、次世代の「微風置地広場」を計画しました。
他の百貨店やSCがやらなかったことに取り組み続けるブリーズセンターは、台湾の百貨店・SC業界の歴史に新たな1ページを開いたと言っても過言ではないでしょう。
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