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今回は、南投県の人気観光地、日月潭にある雲品酒店(フローデシンホテル)の張羽総経理を紹介します。
フローデシンのホームページは同ホテルらしい上品なデザインだ(YSN)
フローデシンは今年1月、世界の旅行者の口コミ情報を掲載する人気サイト「トリップアドバイザー」が発表した「トラベラーズチョイス2013」で、台湾1位のホテルに選ばれました。サービス、お得感、寝心地、清潔さ、立地条件、快適度といった項目から総合点で高く評価されました。
同ホテルは雲朗観光(L'Hotel de Chine Group)(※)により5年前に建てられました。淡い緑の湖水と深緑の山々に囲まれた日月潭の湖畔にある高級リゾートホテルで、 落ち着いた静かな雰囲気を漂わせています。どの部屋も大きな窓から明るい太陽の光が入り、バルコニーと天然温泉の浴室があります。そして最も高く評価されているのがスタッフの「おもてなし」です。
おもてなしを自ら実践
雲朗観光の張安平執行長(CEO)は、フローデシン設立の際、こだわり抜いたリゾートホテルにしようと決めました。そこで、上海や香港の世界的な大型観光ホテルで管理職の経験を持つ張羽氏をフローデシン・ホテルの総経理に招聘(しょうへい)、顧客満足度を最優先とする経営を託しました。
張氏は「心を込めたお客様への気配り」という理念が浸透するよう、スタッフたちに時間をかけて教育していきました。そして自ら率先してこの理念を実践したのです。客のチェックイン時間が近づくと、自ら時間が許す限りホテルの入口に立ち、客の手を取って出迎え、あいさつの言葉を交わすようにしました。また、頻繁にホテル館内のレストランや周辺の歩道を歩き、客に会釈することはもちろん、食事内容や部屋についての感想を聞いて回ったのです。さらに、部屋のテレビに客の名前を映し出し、直筆の歓迎の手紙を置いて迎え入れるようにしました。
張氏は地域との関わりも大切にしています。地元の画家のギャラリーや茶道家によるパフォーマンスを開催したり、今年11月には打楽器界で有名な朱宗慶氏率いるバンドの演奏会を開催したりしています。
還暦祝いの卒業生が感涙
月刊誌『遠見雑誌』が取り上げた、フローデシンの「おもてなし」の一例を紹介します。
2011年11月、台北市の有名私立学校法人「再興学校」の卒業生40人が還暦祝いを兼ねての同窓会をフローデシンで開きました。彼らにはホテル側からのサプライズが待っていました。中央ロビーに入るとまず再興学校の校章マークが焼き印されたお菓子が配られました。次に、部屋に入ると昔懐かしい校歌が流れてきたのです。
その日の晩、レストランではホテルスタッフが淡黄色の半袖シャツに紺の長ズボンという同校の当時の制服を身に付けました。卒業生のおじいさん、おばあさんたちはこぞってスタッフたちと記念撮影をし、会場全体が大いに盛り上がりました。料理は校章マークがプリントされたお皿に盛り付けられ、デザートは再興学校の校舎が立体的に描かれたケーキでした。
食事後、スタッフが準備したスライドショーにより、卒業生が外で撮った写真と昔の学生時代の写真が1枚1枚スクリーンに映し出されました。卒業生たちは会場に流れてきた校歌を合唱、喜びと感動に包まれて多くの人が思わず目を潤わせました。接待役のホテルスタッフたちが丹念にこれらの準備を重ねた結果が感動を呼んだのです。
「心を込めた気配り」という理念を実践するのは簡単でありません。単なる「スローガン」になってしまっている企業もあるでしょう。心を込めたサービスの精神を仕事の場面でいかに発揮できるか。顧客にサプライズを与え、心から感動させる力が企業に求められています。
(※)雲朗観光は中信集団(チャイナトラストグループ)傘下のチェーンブランドで、台湾で「中信大飯店(チャイナトラストホテル)」や「君品酒店(パレ・デ・シン)」など直営・加盟合わせて十数件のホテルを経営しています。
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