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今や加盟店が700店以上あるギョーザチェーン店、八方雲集。林家鈺氏が47歳のとき、エレベーターの修理事業で富を築いていたものの、株式投資の失敗で負債2,000万台湾元を抱えたことが創業のきっかけとなりました。年齢的に再就職は困難ですが、自分はギョーザを作れるし、1日数千個売れば、1個で1台湾元儲かり、あっという間に借金を返せると前向きに考え、1998年に台北市士林区の天母で開いた水ギョーザと焼きギョーザを売る小さな店が1号店となりました。
食事時はいつも人だかりができています(YSN)
味と品質に本気
一般に小吃(屋台料理)はシンプルな料理ですが、八方雲集は安心して食べられるよう、味にこだわり、食材や配送をしっかり管理して品質向上に注力しています。
まず違いは具材の配合比率です。焼きギョーザの場合、豚肉と野菜を半々とし、コストダウンを図ると同時に、栄養バランスを改善しました。油っこくなく、健康が気になる現代人にぴったりです。メニューは定番の豚肉・ニラの他、韓国キムチ、カレー、野菜とバラエティー豊かです。
また、品質最優先の考えから、新北市淡水区に本社と工場を2億元以上を投じて建設。原材料の冷蔵、低温配送や、調達、調理、包装、出荷などの標準管理で、人件費の3分の1削減にも成功しました。
おいしさ、新鮮さ、清潔さに欠ければ、多額の資金を注ぎ込んで広告しても、リピート客はできない。根底には「宣伝より品質で、見栄えより中身で勝負」という経営哲学があります。そのため、まず路地裏、その後大通りで出店を果たしました。
加盟店を全力サポート
八方雲集の加盟店になるには、加盟金はわずか10万元、開店準備金は150万元しかかかりません。当面の運営費用が捻出できない場合、8割まで無利息で融資します。加盟店が稼いで返済できるようになると確信しているからです。
加盟店オーナーになる条件は30歳以上。まず、薄利で労働環境は悪く、拘束時間も長いと苦労を説明し、それでもやりたいという希望者には1週間、朝から晩まで現場を経験させ、やっと契約を結びます。契約後も1カ月間、本社で水ギョーザの作り方の研修を受けなければ、開店できません。「資金があっても自分で手を動かさなければ、成功しない」からです。
「商売人は通常、どうやって稼ぐか考えるが、私はどうやって稼いでもらうかを考える」と話す林氏の全力支援を受け、加盟店が失敗したり、諦めることはまれです。ただし、「いい年をして他人に管理されたい人などいない」と、加盟店を縛り付けることはしません。
水ギョーザを黄金に
同社は近年、公益事業に取り組み始めました。新北市のマラソンイベントでは、収入の全額を寄付。苦学生を支援するため、社会福利慈善事業基金会も設立しました。
2008年の香港市場進出に続き、今年は中国に出店を果たしました。「努力すれば、水ギョーザが黄金に変わる」──これが林氏の座右の銘です。
荘建中
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