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第113回 永慶房産集団董事長 孫慶餘氏


コラム 経営 台湾事情 作成日:2015年5月8日

台湾流経営策略 台湾の名経営者

第113回 永慶房産集団董事長 孫慶餘氏

記事番号:T00056844

 不動産仲介大手、永慶房産集団は▽永慶房屋▽有巣氏房屋▽台慶不動産──と業界最多の3ブランドを擁し、店舗数は1,000店以上、市場シェア15%の最大手です。経済誌「天下雑誌」の2014年サービス業調査では、不動産仲介部門の首位に輝きました。そんな同社を率いる董事長の孫慶餘氏は「台湾不動産業界の父」と呼ばれています。

業界の健全化に貢献

 初期の不動産業界は混乱していました。法も整備されておらず、誰でも不動産売買ができるような状況でした。住宅価格が高騰すれば、仲介業者は家主よりも稼いでいたので、暴利をむさぼる業界と陰口をたたかれていました。

 そんな中、孫氏は1985年、日本や米国を参考に、差額を着服したりリベートなどを受け取らず、一定のサービス料だけを徴収すると宣言しました。このほか、外からよく見える1階に店舗を設置したり、「誠実な仲介サービス」とうたうなどして、不動産業界に「第一次産業革命」をもたらしました。

 また、89年の「不動産仲介ブローカー管理条例」の法制化にも協力し、仲介業者の地位向上に貢献しました。

 孫氏は、▽消費者の満足▽法律の整備▽業者の地位向上──が産業の発展につながると信じていたからです。

ネット活用で利便性向上

 2000年、孫氏は大金を投じてブロードバンドを各店舗に設置し、グループのエリア内のどの店舗でも他店舗の物件を取り扱うことができる仕組みを構築しました。今では当たり前ですが、従来は各店が良い物件は自店だけで取り扱いたいと考えるので、導入が困難でした。

世界初、動画で下見サービス

 孫氏は消費者目線で新サービスを続々と導入しました。03年、動画で物件を下見できるサービスを世界で初めて導入しました。10年にはモバイルプラットフォームを構築し、担当者がいつでもどこでもタブレット端末で物件を確認し、紹介できるようにしました。

 このほか、品質管理を徹底し、「海砂屋」(砂入りコンクリートの強度不足の物件)や「輻射屋」(放射線量の高い物件)、「凶宅」(自殺や殺人事件などが発生した事故物件)などを排除しました。

 さらに、不動産情報ニュースや修繕、賃貸サービスを提供するサイト、「好房網」を立ち上げ、部屋探しや購入物件探しのモバイル端末用アプリ「好房快租App」や「永慶買屋快捜APP」をリリースしました。

 孫氏は、常に顧客の期待を上回るサービスを編み出してきました。こうした努力が産業の健全な発展を促し、消費者、不動産業者にウィンウィンをもたらしているのです。 

荘建中

荘建中

ワイズコンサルティング社高級顧問

 年間200回以上のセミナー講演を行い、法律、経営、人事、財務、人材育成など、多岐にわたるテーマを幅広く扱っている。なかでも難解な内容をわかりやすく伝えることに定評があり、参加者から高い評価を得ている。ワイズのエース講師として、どんなテーマにも柔軟に対応でき、ユーモア有る話術で魅力的な講演が可能。(言語)中国語◎

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