コラム 経営 マーケティング 台湾事情 作成日:2012年10月5日
台湾流経営策略 台湾の名経営者記事番号:T00039750
皆さんは共同購入型クーポンサイトをご存じでしょうか。インターネット上でレストラン、SPA、ホテル、映画などさまざまな商品・サービスの割引や特典の購入希望者を期間限定(一般的に24~72時間程度)で募り、その期間内に一定数以上の申し込みがあった場合にのみクーポンを販売するフラッシュマーケティングと呼ばれる手法を用いた商用サイトです。
今回はそんな共同購入型クーポンサイトを運営する「GOMAJI団購網」の開設者で、同サイトを台湾で業界最大手の「グルーポン」と首位争いを繰り広げるまでに成長させた、趙文潔董事長の6つの経営戦略をご紹介します。
1)サイト提供サービス
「GOMAJI」の開設当時、中小規模の業者の多くがインターネットを活用した宣伝を行っていないことに目をつけた趙董事長は、クーポンを販売すると契約した業者にサイト上で店舗紹介や予約受付ができるサービスを提供し、宣伝から販売までのサポートを可能にしました。
2)地元人材の登用
台北、台中、高雄などに営業拠点を設けた趙董事長は、各地で地元の人材を採用しました。そして、地元の人材だからこそ知る評判の良い店に足を運び、その経営理念や企業文化を把握しつつ、特徴ある商品を取りそろえました。
3)予約システムの整備
他の共同購入型クーポンサイトでは、映画やレストランなどのクーポンを購入しても実際に席が取れないなどのトラブルがあったため、「GOMAJI」では予約システムを設けて、購入者が来店日を入力して事前に予約できるようにしました。またクーポンの使用可能期間、時間帯などをメールで知らせ、予約日の前日には確認メールを送ることで購入者自身が電話などで問い合わせる手間をなくしました。
4)共同購入用アプリケーション開発
これまで購入者はクーポンを印刷して使用していましたが、販売店では購入者本人か、同じクーポンを複数回使用していないかなどの状況を把握することが難しく、トラブルになることもありました。そこで趙董事長は共同購入型クーポン用アプリケーションを開発、受付番号を入力するだけで販売店と購入者がクーポンの使用状況を把握できるようにしました。またアプリケーションを通して双方がやり取りできるようにしました。
5)クーポンの元金保証
また商品・サービスの支払いでは銀行と連携し、専用口座を通じて売買を行うことで詐欺などのトラブルを回避、万が一クーポンの使用期限前に販売店が倒産した場合でも元金を保証しました。
6)戦略的提携
「HAPPY GO」、「PC Home」、「蘋果日報」などさまざまな企業と提携して専用サイトを設立、サービスを拡大させることで「GOMAJI」の知名度、ブランド力アップを図りました。
趙董事長はこのように、地元の人材活用により魅力ある商品を取りそろえるとともに、インターネットを通じて販売者と購入者が安心して取引できるシステムを作り上げることで共同購入型クーポンの利用者を増やしました。
景気低迷で少しでも客足を伸ばしたい商店と少しでも節約したい消費者が多い中、両者のニーズを満たす共同購入型クーポンの利用者はますます増えることでしょう。
荘建中
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