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人気作家の九把刀(ギデンズ・コー)。本名は柯景騰(コー・チントン)。1999年からインターネット小説を書き始め、これまで70本近くの作品を発表し、「網路文学経典製造機」(ネット文学名作製造機)と称されています。大学生のころに既に名作家として知られ、大学院は社会学専攻、自身の犯罪小説を卒論として提出しました。その後、専業作家として台湾各地の学校を回って講演会を行い、若者を中心に高い支持を集めています。作品の多くは映画、テレビドラマの他、舞台や漫画、オンラインゲームにも採用されています。
社会ニュースを日々切り抜きまとめるなど努力に裏打ちされた作家だ(フェイスブックファンページより)
映画監督もこなす
11年、九把刀は自伝小説を映画化した「那些年,我們一起追的女孩(あの頃、君を追いかけた)」の監督としてデビューしました。低予算、有名スター出演なしの映画だったにもかかわらず、台湾映画としては興行収入ランキングで歴代4位の大ヒットを記録。香港では11年の中国語の映画で興行収入1位となりました。本作の大ヒットにより台湾で11年の「十大傑出青年」の一人に選出され、タイトルの「那些年」という言葉は台湾や香港で流行語となりました。
先週末(15日)に台湾と香港で同時公開された映画「等一個人咖啡」(Café・Waiting・Love)では脚色を担当。原作は「那些年,我們一起追的女孩」と同じく自身の小説です。女子大生の「思蛍」(スーイン)がアルバイト先のコーヒーショップで、同大学に通う正義感あふれる青年「阿拓」(アトゥオ)と出会うところから繰り広げられるラブコメディーで、映画を見に行った私は、他の観客と一緒に拍手しながら大笑いしたり、あまりの感動で涙も出ました。
作品に今も生き続ける「阿拓」
「阿拓」は九把刀の実在のファンでした。彼のイベントによく参加していたため九把刀と友達になり、その後、九把刀は阿拓の人柄と、彼との関係からフィクション小説「等一個人咖啡」を書いたのです。
そんな阿拓に悲劇が訪れました。まだ21歳だった04年、バイクを運転していた際、前方から逆走してきた自転車を避けるために交通事故に遭い、重体のまま病院に運ばれました。事故当日、ネット掲示板ではすぐに「阿拓を励まそう」という呼び掛けが広がり、毎日100人近くが見舞いに来ましたが、昏睡状態から脱せず、事故5日後に亡くなりました。
その後、阿拓の人生をモデルとしたドラマも放送され、九把刀の他の小説にもよく「特別ゲスト」として登場します。阿拓という人間は九把刀の小説や映画を通じて今も生きているのです。
多ジャンルこなす才能
九把刀の作品は一つのジャンルにとらわれず、恋愛ものからファンタジー、ミステリー、ホラー、コメディーなど多岐にわたります。恋愛ものは読んで胸がギュッと詰まるし、ホラー作品は悪夢を見ているかと思うほど怖い。コメディー小説の中には涙が出るほど面白いものもあります。
現在36歳の九把刀。これからますます多くの人を笑わせ、励まし、感動させる作品を世に送り出してくれるでしょう。
「等一個人咖啡」フェイスブックページ
https://www.facebook.com/cafewaitinglove
段婉婷
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