コラム

記事番号:T00054986
2015年1月20日16:05

  台湾の長寿バラエティー番組「康熙来了」は、人気作家の蔡康永(ケビン・ツァイ)とタレントの小Sこと徐熙娣(シュー・シーディー)が司会を務めています。2004年1月からスタートし、毎週月~金の午後10時に放送しています。2人の辛口コメントやゲストへのむちゃぶりが人気を博し、台湾だけでなく中華圏全体の人気番組として知られています。放送開始当時高校生だった私も夢中になり、今でも毎晩見ています。

話題性豊富で人気続く

 司会者である小Sは94年、16歳の時に実姉、徐熙媛(バービィー・スー、通称「大S」)とのアイドル・デュオ、S.O.S(徐氏姐妹/シスターズ・オブ・シュー、現:ASOS)として歌手デビューしました。翌年には日本デビューも果たし、日本でもCDアルバムを3枚リリース。雑誌のグラビア、イベント営業なども行っていました。


3人の娘の母親でもありながらスタイル抜群の小Sは女性の憧れだ(ブラッパーズ提供)

 高校卒業後は歌手活動を休止し、司会者に転向。元アイドルにもかかわらず、変顔からコスプレまで何でもござれのチャレンジ精神、歯に衣着せぬ発言、頭の回転が早く、人気スターをゲストに迎えて本音を引き出すトーク力などが、若者の人気を集め、さらなる活躍を見せました。

 人気を獲得した小Sは数々の流行を生み出しました。小S本人は98年から歯列矯正を始め、02年に自身の体験談をまとめたエッセイ「小S的牙套日記(小Sの矯正日記)」を出版。笑うと恥ずかしいと思われていた矯正をおしゃれなイメージに変え、矯正ブームを巻き起こしました。眉ピアス、タトゥー、ショートボブの髪型なども若者に流行し、言葉遣いや動きもよくまねされています。

80万人を感動させた瞬間

 小Sは先週12日、康熙来了に元恋人で名司会者の黄子佼をゲストに迎えました。

 2人は97年から交際していましたが、00年に黄子佼の浮気が発覚し破局となりました。それでも小Sは、芸能情報番組で「浮気されても別れても彼を応援する」と泣きながら語りました。

 浮気した黄子佼には批判が殺到し、彼の番組は次から次へと放送休止を余儀なくされ、人気司会者というポジションから転落しました。その後台湾では3~4年もの間、仕事がなく苦労しました。

 その後、黄子佼はようやく音楽評論家として芸能界に舞い戻りましたが、小Sと共演することはありませんでした。

 しかし、小Sが昨年12月、ジャズCDをリリースすると黄子佼は同CDを好評価する論評をフェイスブックに掲載しました。

 これを知った小Sが黄子佼を康熙来了に招いたわけですが、番組内で2人は交際のきっかけや当時の甘い思い出を振り返り、泣きながらお互いに謝罪しました。15年ぶりの和解ということもあり、注目を集めた同日の視聴率は番組史上過去3番目に高い平均1.71%となりました。台湾全土で約80万人が見た計算です。


番組の最後には抱擁するシーンも見られ、2人の間の溝は完全に埋まったようだ(中央社)

 なお昨年10月、小Sは台湾のネット調査サイトが発表した「10大お笑いタレント」ランキングで1位を獲得しました。小Sは一昨年、実業家の夫、許雅鈞(シュー・ヤージュン)が投資している大手ベーカリーチェーン「パン達人手感烘焙(トップ・ポット・ベーカリー)」の偽装問題、家族のインサイダー取引疑惑もあり、著しくイメージを落としていましたが、それを乗り越え人気を取り戻したと言えます。彼女は今後も台湾を代表する司会者として活躍することでしょう。

段婉婷

段婉婷

コンサルタント

中国文化大学日本語学科卒業。2009年・日本へ一年間の交換留学。2010年にワイズコンサルティンググループに入社。ISMSプロジェクトの経験を経て、現在はリサーチ部門に所属。