記事番号:T00060231
オンラインゲーム大手の遊戯橘子数位科技(ガマニア・デジタル・エンターテインメント)は、ユーザー数が台湾最多で、現在、日本、韓国、香港、中国、欧米に運営拠点を拡大しています。2014年の売上高は90億7,000万台湾元。95年の会社設立当時の社名は富峰群資訊で、99年11月にグローバル化を視野に現在の社名に変更しました。
「ゲーム大好き」がコンセプト
ガマニアの社名は「ゲーム」と「マニア」を掛け合わせた造語で、「熱狂的なゲームマニア」を意味しており、同社の企業文化を反映しています。また、「ガマ」の発音は閩南語で「オレンジ(中国語表記:橘子)」という意味で、中国語の社名の「橘子」はここに由来します。
ガマニアの董事長、劉柏園氏は、「Love to Play(ゲームが大好き)」と「F.A.M.I.L.Y(ファミリー)」の企業コンセプトを打ち出しました。ファミリーはそれぞれ、▽Fun(面白さ)▽Adventure(冒険)▽Mind-inspiring(感動)▽Innovation(革新)▽Laurels(栄誉)▽Youth(若さ)──を意味します。同社は2つのコンセプトの下、ユーザーに感動を与えるゲームを次々と世に送り出してきたほか、社員の採用や教育にも応用しました。同社の創作的かつ情熱的な企業文化はこのコンセプトの下で生み出されました。
次に同社のマーケティング手法についてご紹介します。
同社は00年に韓国のオンラインゲーム「リネージュ(中国名:天堂)」のサービスを台湾でスタートした際、大々的なメディア広告を展開しました。テレビ広告を頻繁に流すことで、消費者に同ゲームを印象付けることが狙いでした。
次に打ち出したのは、コンビニエンスストア最大手、セブン−イレブンと提携して同ゲームの無料ソフトを配布するという斬新な戦略でした。コンビニで無料ソフトが手に入る利便性が人気を呼んでユーザー数は着実に増え、リネージュは台湾で一躍人気のゲームとなったのです。
ネット事業を網羅
ゲーム産業は競争が著しい上、莫大な開発費用がかかるなどリスクが大きく、安定した業績を維持するのが難しい業界です。
そこで劉氏は、経営安定対策として昨年、ゲーム事業だけでなくインターネット関連事業を網羅する企業への転換を図りました。今年末には、モバイル決済子会社、楽点行動支付の第三者支払いサービスがスタートする予定で、300万〜400万人のガマニアのオンラインゲームユーザーが恩恵を受けます。この他、電子商取引(EC)の運営会社や、テレビ制作会社、金星娯楽の子会社と提携して音楽や映像などのデジタルコンテンツを提供するプラットフォーム「酷瞧」を立ち上げました。
また、企業やチームなどの資金調達をサポートするクラウドファンディングの「群募貝果」というプラットフォームを設立して、台湾で起業を目指す人へ情報提供も行っています。
ガマニアは事業拡大により、人々のデジタルライフスタイルに根付いた企業へと変貌を遂げたのです。
荘建中
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