記事番号:T00000066
● 提携はうまくゆかない
創業時には、経営資源が全てにおいて不足しています。
そこで、多くの人が思いつく手段は「提携」です。
私も色々な提携を試みて、そして失敗を重ねてきました。
今回は、「創業時の提携失敗例」についてご紹介します。
● 「弱者同士による提携」
仕事が無い頃、「台湾人コンサルタント」「人材紹介会社」「日本語の話せる弁護士」「室内設計」「広告代理店」等様々な人達に提携を持ちかけた事があります。
皆提携は快く引き受けてくれるものの、今思えば提携による顧客紹介や共同作業はほとんど成功することはありませんでした。
何故かと言うと、弱者同士で提携をすると「相手が仕事をまわしてくれるだろう」お互いに思ってしまい、お互いに積極的にならないからです。
また、提携先と実績を作ろうと思い、予算全てを提供する約束で仕事をやってもらっても、出来上がってきた仕事はお粗末で、結局自分でやり直す羽目になったことが幾度もありました。
「弱者同士の提携」は、理論上うまくゆきそうでもお互いに余裕がない為、Win-Winとなることは稀です。
● 「強者との提携」
では「強者との提携」はどうでしょうか?
私の場合は、過去に日本の大手コンサルティングファームと一時的に提携していましたが、こちらの取り分ほとんど無しで、年間数百~数千万円の仕事をまわしていたにも関わらず、結局何のメリットもありませんでした。
しまいには売上ノルマまで設定してくる始末でした。
「弱者と強者との提携」は不平等条約になりがちです。
● 「勘違いしている人達」
日本人、台湾人を問わず、弊社にはひと月に少なくても一件は自称コンサルタントの訪問があります。
「○○の経験が有る」「××のコンサルティングで大成功した」等の類いです。
「業務提携をしよう」とは言っているが、早い話「仕事をまわせ」ということでなのです。
守秘義務が義務づけられている業界で、クライアント名を挙げてコンサルティング事例を挙げる人は、まずお話になりません。(台湾のコンサルティング業界にはこの様な人が多い)
お話だけお伺いして「チャンスがあれば…」とお引き取り願っていますが、稀ながら守秘義務を守った人の中で実力を見たいと思う人もいます。
その様な人達には、いきなり大切なクライアントを任せるわけにはいかないので、弊社が持ち出しで「実力だめし」をしてもらう事にしています。
…が、「移動はファーストクラス(ビジネス)で」「その仕事のフィーはこれ位もらわなければ(それは高過ぎ…)」等ととてつもない要求をしてきます。
創業時は提携を考えるより、自分でできる所から努力を初めた方が結局は近道になるのではないでしょうか。
そして、自分(自社)の価値が高まれば、提携話はあちらから来るようになる筈です。
● 失敗しない為の教訓
「起業時の提携はどちらかがGive & Giveができる覚悟が無ければ、成り立たない」
ワイズコンサルティング 吉本康志