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駐在員人生考2(起業への途 その2)


コラム 経営 台湾事情 作成日:2006年8月28日

台湾経営マニュアル 台湾駐在員編

駐在員人生考2(起業への途 その2)

記事番号:T00000103


● 飲食業での起業

昔から飲食業は起業のしやすい業種にあげられています。

理由は、
1. 日銭が入るので資金繰りが楽。
2. 自身の利用経験が多く、ビジネスの仕組みがわかりやすい。
3. 新規顧客開拓が比較的楽に行える。
4. 儲からなくても食べることには困らない。
等があげられます。

また、飲食業の特徴として食べる事が好きな人、料理をするのが好きな人が多いので、自分の趣味を活かせるというメリットもあります。

但し、経験の無い素人が経営をして上手くいくほど、簡単なものではありません。

飲食店をはじめると、わかりやすいビジネスの為、お客さん、従業員、友達、業者、家族…等色々な人が意見やアイディアを言ってきます。

この時、過去に経験が無いと「何を採用して、何を採用しないか」の選択ができなくなり、滅茶滅茶な店となってしまうのです。

また比較的簡単そうに見える飲食業でも、FCに加入せずに全て自前で飲食業を行う場合は、味覚センスや料理の技術以外でも最低以下のスキルが必要です。

1. 会計スキル(財務会計知識、コスト計算、できれば管理会計も)
2. デザインのセンス(店舗デザイン、メニュー、広告等)
3. 接客応対スキル(笑顔、あいさつ、会話、クレーム処理等)
4. 人の管理(人材の採用・育成、動機づけ等)

● 素人の飲食店経営

佐藤さんは台湾現地法人の総経理を勤めていたが、2年前に早期退職制度を活用して、台湾で知り合った陳小姐と飲食店を経営していた。

佐藤さんおよび陳小姐は飲食業の経験は無かったが、佐藤さんは駐在員生活が長く、料理には自信があり、サラリーマン時代は部下を自宅に呼び、手料理をご馳走し好評を得ていた。

陳小姐は人当たりがよく、初対面の人ともすぐに仲良くなれる性格だったので、お互いの長所を発揮し、力を合わせながら始めたのだった。

開業から2年が経過し、経営が立ち行かなくなっていたので、私は知人に頼まれてボランティアとしてお手伝いする事になった。

まず、帳簿を見せて頂いたが、P/LやB/Sを作成していないので、儲かった月と損した月が間違って把握されていた。

現金主義で計算しているので、仕入をたくさん行っている月は在庫が次月に繰り越していても、資産にならないのである。

当然、客数や客単価等の統計はとっていない。

また、メニューを見てプライシングに疑問を持ったのでコスト計算をしてみると、売れ筋と聞いていたメニューは実はコスト的には赤字であることが判明した。

料理の味やメニュー作成、マーケティング活動等以前の問題として、儲かっているかどうかさえわからない状態だったのだ…
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

台湾経営マニュアル台湾駐在員編

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