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台湾人は日系企業に対してどの様なイメージを持っていると思いますか?
あるいは、一緒に働いている台湾人達は、会社に対してどう思っているのでしょうか?
「もう、台湾は長いから、それぐらいわかっているよ!」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、実はわかっているようで、わかっていないことがたくさんあります。
今回は「台湾人から見た日系企業」をテーマに、コンサルティングの現場でよく聞く、台湾人の日系企業或は日本人経営者に対する共通の見方を取り上げていきます。
● 日本人と一緒に働くなんてとんでもない?
数年前、桃園県の田舎にある某日系企業(以下A社)をお手伝いしていました。
A社は日本のみならず、世界的に有名なグローバル企業ですが、そこで働く従業員達には悩みがありました。
特に若い女性従業員には辛い職場であったようです。
それではB小姐のお話をご紹介しましょう。
…私はA社の募集広告を見て応募し、見事採用されました。
A社の製品は世界的に有名なので、喜んで親に報告したところ、猛反対にあいました。
挙げ句の果てには親戚中が集まって、A社では働かないように説得され、最後には祖母が泣いてしまいました…
親戚中の反対にあった理由はAVです。
ここは田舎なので、日本時代も日本人との交流があまり無く、日本と聞いてイメージするのはAVです。(注:台湾ではAVの大半が日本ものであり、ビデオやVCD、DVDのコピーがどこでも売られている)
この近辺に住んでいる人達は、日本人はいつもあの様な生活を送っていると思っているのです。
祖母にしてみれば、日本時代も日本人に虐待された話しか聞いていないし、孫がボロボロにされると思ったようです。(おばあちゃんも日本のAVを見ているのでしょうか?)
入社してみると、日本人の方々は、仕事は厳しいものの、紳士的で良い人ばかりでしたが、誤解されるので知り合いには日系企業で働いているとは言っていません…
「今時、そんな話があるわけない」と思われるかもしれませんが、数年前に実際にあった話です。
台湾は他の外国から比べると日本人を知っている人や理解している人が多い国ですが、全ての人(地区)がそうとは限りません。
例えば、私の家内は台湾人ですが、義理の父の父(祖父)は日本人に殺されたそうで、義理の父と知り合ってから2年間は家に上げて貰えませんでした。
応募しても人が集まらないのは、日本に対する印象が悪い地区なのかもしれませんよ。
ワイズコンサルティング 吉本康志