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記事番号：T00017849

　
　今、世界中の著名人をとりこにしているフランツの美しい陶器をご存じだろうか。クリントン米元大統領も、米国の著名歌手、バーブラ・ストライサンドもこよなく愛しているといわれるフランツは、2007年にはローマ教皇に贈呈され法王庁にも所蔵された。

　陳水扁前総統がパナマを訪問した際の贈呈品も、台湾初のノーベル化学賞受賞者の李遠哲氏、台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）の張忠謀董事長がアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）に出席した時も持参したのもフランツの陶器だった。

　フランツとはどこの国のブランドなのか？フランス？英国？それともドイツ？以外にも、フランツは台湾の陶器ブランドなのである。

創業者の陳立恒氏。デザイナーとしての顔も持つ（フランツ提供）

　フランツはギフト用品受託生産メーカーで30年の経験を持つ陳立恒氏によって設立された。同業界は長く続かないと考えた陳氏は、2001年に米国で自身のドイツ語名である「フランツ」の名前でブランドを立ち上げた。02年6月には最も利益が見込めるため、「高級磁器」の路線を選び、正式に営業を開始した。芸術品ギフト市場に参入し、同時に「研究開発は台湾・欧州、生産は中国、市場は世界」というビジネスモデルを選択した。

専門知識への探求

　「イノベーション」は陶器を作る上でのフランツの中心的価値だ。国際的に名前が知られている大手陶器ブランドにも、型にはまった花柄が中心のところが多いが、フランツは大胆かつ独創的なデザイン、浮き彫りと彫塑を結合させたバラエティーに富む造型、そして豊富な色彩で消費者の心をわしづかみにする。

　フランツはデザインに取り入れる対象に関しても、専門レベルの知識が必要という考えだ。例えば、ミツバチが花の蜜を吸う図案では、ミツバチがどのような花に近づき、どのような花には近づかないかまで徹底的に調べる。海外へ売り出す際には、その国の人の髪型、皮膚の色、五感や輪郭、服装まで調べて製品に落とし込む。こうしたこだわりが顧客の支持につながっているのだ。また、陶器の絵付けでは手作業にこだわり、描かれた花や虫、魚は、すべて彫刻師によって一つ一つ丹念こめて造られたものである。

物超所値のブランドイメージ

　陳立恒氏は、顧客に「物超所値（価格以上の価値がある）」と思ってもらえるよう努め、それをフランツのブランドイメージとして確立しようとしている。大々的にＣＡＤ、ＣＡＭなどのソフト面に投資し、台湾人デザイナーがパソコンで直接彫刻のデザインができるようにした。その結果、１ミリの誤差もない正確な陶器のデザインができるようになった。デザインは、中国・景徳鎮工場で手作業で製品になっていく。中国で製造することで、フランツ製品の価格は英国のウェッジウッド、日本のノリタケの三分の一となっている。

独創的なデザインで、親しみを感じさせる暖色が多いことがフランツの特徴だ（フランツ提供）

現地主義で販売店拡大へ

　フランツは海外での販売拡大戦略で、徹底した現地主義を採っている。「現地の人に任せれば間違いない」という考えがあるのだ。米国の例を挙げれば、現地で副総経理を採用し、その副総経理に代理店を選ばせる。代理店には10～20カ所の販売店を受け持たせることで、着実に拠点が増えていく。

　現在、米国の販売拠点は2,800店、世界全体では6,000店にまで増えた。

展示会受賞で知名度アップ

　フランツは自社ブランド成立当初から広告、宣伝活動に多額な経費をかけず、国際レベルの展示会に参加することで、着実に知名度を挙げてきた。02年のニューヨークギフトフェアでは、「蝶舞シリーズ」で２万件の作品の中から「ベストギフト賞」を受賞。04年には英国小売協会から、英国高級ギフト界の「オスカー賞」といわれる「英国ベストセラミックギフト賞」を受賞した。フランツはこうした手法によって、世界各国の高級陶器ギフト専門店、百貨店に浸透し、現在では、マイセン、ウェッジウッド、ロイヤルコペンハーゲンなどの高級陶器メーカーと肩を並べるまでに成長した。

　フランツはゼロからスタートし、「グッドクオリティー、ベターデザイン、ベストプライス」を掲げ、中華（China）を代表する陶器（china）として誇れる実績を積み上げてきた。美しいフランツの陶器を知りたい方は同社のホームページをぜひご覧頂きたい（日本語版あり）。

法藍瓷網站
http://www.franzcollection.com.tw/


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