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第51回 台湾の占い文化


コラム 経営 台湾事情 作成日:2010年1月22日

台湾流経営策略 台湾の経営手法

第51回 台湾の占い文化

記事番号:T00020528

 
 子供から大人まで、台湾人なら占いをした経験のない人は珍しい。大部分の台湾人は生まれた時に両親が「八字(旧暦の生年月日時刻)」(四柱推命)で運勢を見てもらうか、「姓名学」で縁起のよい名前を付けてもらう。

 また台湾では、テレビをつければ多くの番組に星座占い、タロット占いなどさまざまな占い師の姿を見ることができる。実のところ占い番組は高い視聴率を誇っている。台湾は占い産業が盛んで、一般市民から大企業の社長、果ては総統まで、多かれ少なかれ占いに関わりを持つ。

 新入社員の採用に占いを活用する企業もある。大手求人サイト、1111人力銀行が行った調査によると、企業幹部の35%が「面接試験の際に東洋または西洋の占いを参考にする」と答えている。最も多く参考にされるのは「星座」(80.99%)で、「人相学」(55.63%)、「血液型占い」(21.13%)がこれに続く。また、そのうち20%の企業では、より良い人材を獲得して人事コストを引き下げるため、占い師を招いて「人相術による人の選び方」といった講習会を開いている。

悪意ある占い師も

 西洋なら心理カウンセラーが守備範囲とするような問題も、台湾人は占い師に相談する。良心的な占い師は、ごく簡単な方法で相談者自身が自らプラスとなる道を見つけられるように導く。これは一種のカウンセリングと言ってもいいだろう。
 
 しかし、悪意のある占い師に当たってしまった場合、相談者は心理的な弱点をつかまれ、さまざまな脅しを受けることになる。最もよくある手口は「あなたにはよくない相が出ている。運勢を変える必要がある」といったもの。常套句には、「あなたの名前はよくないから改名しなさい」、「あなたの『八字』は旦那さんの命に悪い影響を与えるから、運を変えなければならない」、「お宅の家は風水が間違っている、直さなくちゃ」──といったせりふが使われる。

 通常、初めに姓名や「八字」、風水などを見てもらうのに大した費用はかからない(相手の興味を引くため)。しかしその後、「占った結果は最悪だった」と言い募り、追加料金を支払って運勢を変えるべきだと迫る。さらには、幸運をもたらすという高価な開運グッズも売りつける。お札、指輪、数珠、印鑑、魔よけの「八卦鏡」、財産を呼ぶ金のカエル──などなど。効果がなければ、「あなたの因業は深い。もっと手を尽くさなくちゃ(開運グッズを買わなくちゃ)...」と告げられることになる。

 いずれにせよ、責任は占い師にはなく、「あなたの熱心さ、すなわち投資が足りないから」というわけだ。さらにひどい場合、相談者に呪いをかけることもある...。

「一家全員、死に絶える」にあ然

 筆者はかつて同じような経験をしたことがある。20年ほど前に結婚した後、子供を望んだものの妻が2度流産するという不幸に見舞われた。そのため友人の紹介で、ある風水師に見てもらうことになった。自宅の風水診断料は、当時筆者の月給の約三分の一に当たる3,600元だという。ちょっと高いとは思ったものの、「ベッドの方向や家具の位置をちょっと変えただけで家の中に平安が訪れ、子どもが生まれるなら価値はあるか」と考えた。

 風水を見てもらった当日、風水師は我が家の入り口で3分ほど何やら印を切った後(寝室や台所を見もしないで)、「お宅は汚れている。ここに住む人間は子供から年寄りまで、一家全員死んでしまうでしょう」と結論を下した。あわててわたしが「じゃあ、どうすればいいんですか?」と尋ねたところ、風水師は落ち着いてこう答えた。「ひとつは引っ越すこと、ひとつは門の角度を変えること」──。

 結婚してやっと買った我が家を、手放せといわれて簡単に手放せるものではない。「門の角度はどうやって変えればいい?」こう聞いたわたしに、風水師はいやらしい表情見せつつ「そこはわたしの力の見せどころ。友達の紹介だから、人件費とリフォーム代、合わせて10万元でいいよ」、と言い放った。わたしはその場にあ然と立ち尽くすだけだった。

 もちろんリフォームはしなかった。心の中に若干引っかかるものはあったが、そんな大金をどこから出せというのか。しかし、わたしには現在、17歳と18歳ふたりの子どもがあり、どちらも健康で明るく育っている。ただ、台湾では今のこうやって多くの人間が金を払わされていると思うと、暗たんとした気持ちになる。

新たな商法が続々出現

 占い産業は競争がし烈なため、次々と新しいマーケティング手法が出現している。インターネットでの占い、書籍の出版、経験豊富な占い師なら口コミでの顧客獲得も可能だ。また一部の占い師は、相談時の会話を録音し、CDなどに焼き付けてすぐに手渡してくれる。

 台北で有名な「行天宮占い横丁」なら日本語での相談もオーケー。無料の「名前当て」で日本人観光客の興味を引きつけている。

http://www.youtube.com/watch?v=pt6rsMWAFBw

 あなた自身の今年の運勢、将来の事業運、全体運を知りたいと思うなら、試してみてはいかが?ただ、事業に行き詰まった時は、やはりコンサルタントへの相談が得策であることをお忘れなく。


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