記事番号:T00031115
布袋戯、掌中戯などと称される台湾の伝統的な人形劇は、17世紀の中国・福建省泉州地区が発祥地と言われています。その後、福建省から移民してきた人々によって台湾では19世紀初めころから発展し始めました。もともと布袋戯は、「土地公」と呼ばれる土地ごとの地主神に奉納する人形劇で、かつては人気娯楽の一つでした。しかし時代とともに多くの娯楽が生まれ、布袋戯の人気はどんどん衰えていきました。そのような布袋戯を見事に復活させた会社が霹靂国際多媒体です。
先進的な布袋戯の誕生
霹靂は伝統芸能と現代文化をうまく融合した布袋戯「霹靂布袋戯」を誕生させました。かつては素朴な指人形劇だった布袋戯が特撮効果を駆使したSF人形劇に生まれ変わったのです。そして1995年には、ケーブルテレビで台湾で初めての布袋戯専門チャンネル「霹靂テレビ」を開設しました。布袋戯を新しい切り口で現代の娯楽市場に進出させたのです。
霹靂の撮影スタジオは5,000坪余りで、台湾ではもちろん、世界でも最大の布袋戯制作スタジオです。撮影隊、ディレクター室、動画室、録音室などはすべて最新のデジタル技術を採用し、ハリウッド映画制作技術も取り入れています。さらに、パソコンによる動画処理やデジタル音響効果によって、臨場感あふれる映像や音響を実現しました。特に真に迫った立ち回りシーンでは、特殊道具、編集技術そして確かな人形遣いの技術が、人形たちを武道の達人に見せています。
霹靂布袋戯で主役を務める素環真(ウィキペディアより)
また布袋戯DVDのレンタル・販売も行っています。91年のレンタル事業開始から今までに計1,000話近くを発行しました。これらは台湾のDVDレンタル店1,800店で取り扱っています。数年前からは台湾のファミリーマート2,700店でもレンタルサービスを開始しました。ファミリーマートでは、140台湾元(10元の保証金含む)で毎週金曜日に発行する新作2話(120分)をレンタルできます。レンタル率は台湾のテレビドラマの中で1位を誇り、1話当たり延べ100万人もの人が見ていると言われています。特に10代後半〜30代の若い布袋戯ファンは登場人物やそのストーリーに夢中になり、毎週金曜日を首を長くして待っているそうです。
さらに00年には世界初の布袋戯映画「聖石伝説」を製作し、台湾のアカデミー賞と称される金馬賞で「最優秀視覚効果賞」にノミネートされ、大きな反響を呼びました。
ファンを大切にする
霹靂は布袋戯でファンを魅了しているだけではなく、顧客へのサービスも大切にしています。「霹靂会」というファンクラブを設立し、月刊誌の発行、サービスの提供、イベントの開催などを行い、ファンとの交流の場を設けています。現在会員数は5万人を超えました。また、ホームページ上にファンがメッセージを残したら、すぐに返信するなど細やかな気遣いも怠りません。こうした対応により、口コミで新たなファンが生まれるのです。
霹靂には宣伝資金が潤沢にあるわけではないので、大金を投じた宣伝活動を行うことは無理です。そこで、パソコンゲーム、セブン−イレブンなどのコンビニエンスストア、携帯電話キャリアなどと提携し、漫画、小説、写真集、CDや人形、携帯マグカップ、タオル、トランプなどのグッズ販売を行っています。特別な宣伝広告は不要な上、多くの層に対する宣伝効果が期待できます。もちろん専門店や加盟店での販売やインターネットでの販売も行っています。ネット上では「霹靂テレビ版人形」が、1体4万5,000元という高値で販売されています。
霹靂は日本語版ホームページ( http://j-pili.jp/ )も開設しています。さらに動画投稿サイト「ユーチューブ」( http://www.youtube.com/watch?v=5UHIpMGffRo&feature=related )では日本語字幕付動画を鑑賞いただけます。もし興味がありましたらぜひご覧になってみてください。
荘建中
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722