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今回は台湾の「電子花車」についてご紹介します。電飾で派手に飾ったステージ付きの車のことを言いますが、一般には、葬儀や忘年会のイベント時や廟(びょう)の廟会(縁日)の際などに、その上で繰り広げられるセクシーな女性によるパフォーマンスのことと理解されています。皆さんはご覧になったことはありますか?
欧米メディアも注目
今年7月、英国の「デイリー・メール」は「台湾の葬儀で催される電子花車」に関するコラムを掲載しました。米国のある教授も訪台し、40分に及ぶドキュメンタリーフィルムを撮影しました。台湾にこうした特殊な文化が生まれたのは、親しい人の葬儀の際、セクシーな電子花車の出し物によって多くの人の参列を促し、故人をにぎやかに送り出そうという気持ちからでした。その後、地方の住民たちの娯楽の一つに姿を変えていきました。
「電子花車」が最初に登場したのは1967年、当時は出し物を演じる女性と、バンドのメンバーだけの地味なものでした。その後、葬儀用の出し物から、観衆たちのさまざまな要望に応じて内容が変化していきます。80年代以降、新しい設備や出し物を取り入れ、現在のものへと変ぼうを遂げたのです。
全裸で踊ることも
「電子花車」は過激さによって3タイプに分類できます。子どもでも見られるミニスカートをはいて踊るもの、ビキニの水着を着て踊るもの、そしてなんと全裸で踊るものの3種類です。しかし、あまりに過激なパフォーマンスが警察に目を付けられ、かなりの電子花車が姿を消しました。そうしたものは、今では一部の地方でごくまれに見かけるぐらいなりましたが、それでも出し物の最中に警察官に見つかれば、即刻中止しなければなりません。最近はストリップに代わりポールダンスが主流になっているようです。
電子花車が催されるのは、主に以下のイベントなどです。
1)葬儀
踊り子は喪主に代わって「孝女」(泣き女)という役を演じるのですが、孝女は告別式の間中泣き続け、悲しいムードを演出します。出棺が始まると、電子花車で列に加わり悲しい歌を泣きながら歌い、火葬場まで故人を見送るのです。「孝女」はそれほど過激な格好はしません。
しかし、台湾の葬儀とストリップとは切っても切れないのか、こんなこともありました。ストリップ観賞が大好きだった老人が、95歳のとき息子に「自分が死んだら、踊り子を棺の前で踊らせてほしい」と頼みました。彼が103歳で亡くなった際、息子は父の願いを叶えるために、その遺言どおりにしたそうです。
2)宗教関連
廟の参拝客の列の横を、電子花車に乗った歌い手が流行歌を歌って練り歩きます。車の後方の人たちにもよく見えるように、手すりに身を乗り出してサービスしたりします。また廟会の夜には、車を舞台の形式に変え、歌とダンス、マジック、ストリップ、ポールダンスなどの出し物を披露します。
3)祝いごと、その他
結婚式、新築祝い、宴会などの祝いごとや集まりごと、美人コンテストなどのイベントの際にも「電子花車」が催されます。出し物の内容は廟会の場合と同じです。
特殊文化の地位を確立
「電子花車」は性的なパフォーマンスのため、男性の支持は多いものの、批判も少なくありません。
しかし、数十年もの間廃れることなく、一般の企業経営と同じようにその時々の社会環境の変化や、顧客のニーズに対応し、運営形態や、出し物の内容、演出方法を工夫してきました。そうした「努力」によって特殊な文化として台湾の地方に深く根付いており、既に確立された地位を得ていると言っても過言ではないでしょう。
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