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第71回 電子花車文化


コラム 経営 台湾事情 その他 作成日:2011年9月2日

台湾流経営策略

第71回 電子花車文化

記事番号:T00032299

 今回は台湾の「電子花車」についてご紹介します。電飾で派手に飾ったステージ付きの車のことを言いますが、一般には、葬儀や忘年会のイベント時や廟(びょう)の廟会(縁日)の際などに、その上で繰り広げられるセクシーな女性によるパフォーマンスのことと理解されています。皆さんはご覧になったことはありますか?

欧米メディアも注目

 今年7月、英国の「デイリー・メール」は「台湾の葬儀で催される電子花車」に関するコラムを掲載しました。米国のある教授も訪台し、40分に及ぶドキュメンタリーフィルムを撮影しました。台湾にこうした特殊な文化が生まれたのは、親しい人の葬儀の際、セクシーな電子花車の出し物によって多くの人の参列を促し、故人をにぎやかに送り出そうという気持ちからでした。その後、地方の住民たちの娯楽の一つに姿を変えていきました。

 「電子花車」が最初に登場したのは1967年、当時は出し物を演じる女性と、バンドのメンバーだけの地味なものでした。その後、葬儀用の出し物から、観衆たちのさまざまな要望に応じて内容が変化していきます。80年代以降、新しい設備や出し物を取り入れ、現在のものへと変ぼうを遂げたのです。

 全裸で踊ることも

 「電子花車」は過激さによって3タイプに分類できます。子どもでも見られるミニスカートをはいて踊るもの、ビキニの水着を着て踊るもの、そしてなんと全裸で踊るものの3種類です。しかし、あまりに過激なパフォーマンスが警察に目を付けられ、かなりの電子花車が姿を消しました。そうしたものは、今では一部の地方でごくまれに見かけるぐらいなりましたが、それでも出し物の最中に警察官に見つかれば、即刻中止しなければなりません。最近はストリップに代わりポールダンスが主流になっているようです。

 電子花車が催されるのは、主に以下のイベントなどです。

1)葬儀

 踊り子は喪主に代わって「孝女」(泣き女)という役を演じるのですが、孝女は告別式の間中泣き続け、悲しいムードを演出します。出棺が始まると、電子花車で列に加わり悲しい歌を泣きながら歌い、火葬場まで故人を見送るのです。「孝女」はそれほど過激な格好はしません。

 しかし、台湾の葬儀とストリップとは切っても切れないのか、こんなこともありました。ストリップ観賞が大好きだった老人が、95歳のとき息子に「自分が死んだら、踊り子を棺の前で踊らせてほしい」と頼みました。彼が103歳で亡くなった際、息子は父の願いを叶えるために、その遺言どおりにしたそうです。

2)宗教関連

 廟の参拝客の列の横を、電子花車に乗った歌い手が流行歌を歌って練り歩きます。車の後方の人たちにもよく見えるように、手すりに身を乗り出してサービスしたりします。また廟会の夜には、車を舞台の形式に変え、歌とダンス、マジック、ストリップ、ポールダンスなどの出し物を披露します。

3)祝いごと、その他

 結婚式、新築祝い、宴会などの祝いごとや集まりごと、美人コンテストなどのイベントの際にも「電子花車」が催されます。出し物の内容は廟会の場合と同じです。

特殊文化の地位を確立

 「電子花車」は性的なパフォーマンスのため、男性の支持は多いものの、批判も少なくありません。

 しかし、数十年もの間廃れることなく、一般の企業経営と同じようにその時々の社会環境の変化や、顧客のニーズに対応し、運営形態や、出し物の内容、演出方法を工夫してきました。そうした「努力」によって特殊な文化として台湾の地方に深く根付いており、既に確立された地位を得ていると言っても過言ではないでしょう。

荘建中

荘建中

ワイズコンサルティング社高級顧問

 年間200回以上のセミナー講演を行い、法律、経営、人事、財務、人材育成など、多岐にわたるテーマを幅広く扱っている。なかでも難解な内容をわかりやすく伝えることに定評があり、参加者から高い評価を得ている。ワイズのエース講師として、どんなテーマにも柔軟に対応でき、ユーモア有る話術で魅力的な講演が可能。(言語)中国語◎

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