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第105回 50嵐緑茶連鎖専売店創業者 馬瑞東氏


コラム 経営 作成日:2014年8月8日

台湾流経営策略

第105回 50嵐緑茶連鎖専売店創業者 馬瑞東氏

記事番号:T00052001

 炎天下、冷たいドリンクを買いに街のドリンクスタンドに足を運ぶ人も多いことでしょう。消費者の好みが多様化する中、ドリンクスタンドチェーン業界も激しい競争の下で、さまざまな新しい飲料を開発してしのぎを削っています。話題の出来事を分析するウェブサイト「Daily View網路温度計」は7月9日、今年1月7日から7月6日までの間にフェイスブックやYouTube、ヤフー!奇摩、ニュースメディアのサイトなどでドリンクスタンドチェーンについて寄せられたコメント数10万件を分析した結果、「50嵐」がネットユーザーの人気ナンバーワンに選ばれたと発表しました。厳格な品質管理によって、どの店舗で飲んでも味が同じであることが高く評価されました。今回はこの50嵐の成功戦略について見ていきます。


黄と青の目立つ看板とネーミングセンスで、すぐに名前を覚えた消費者も多いのではないか(YSN)

 創業者、馬瑞東氏は小さいころからお茶を飲むのが好きでした。兵役除隊後、台南の屋台で母親と台湾風フライドチキンを販売していましたが、そのときに売れると考えて同時にコールドドリンクの販売も始めました。1994年、台南で「50嵐」の1号店をオープンします。店名はたまたま知った日本の「五十嵐」という苗字が覚えやすくて面白いと思ったことから付けました。

 50嵐はあらゆるドリンクを馬氏が考案、商品化しており、創業以来一度も研究開発(R&D)チームを置いたことがありません。馬氏は常においしい茶葉を求めており、各ブランドのミネラルウォーターでつくるお茶の味をよく知っているプロフェッショナルで、独特の口当たりで苦くも甘くもないおいしいお茶だと消費者に感じさせることができます。

品質を再重視

 50嵐がここ数年、急速に評価を高めた理由として、品質を非常に重視する姿勢が挙げられます。原料は一部を本社が調達、残りを本社が指定するブランドと種類を各店で購入するルールを定め、店舗ごとの口当たりと味を均一にしています。ドリンクはすべて入れたて、タピオカなどの具材も一杯に使う分だけを小型の鍋で煮るという手法で新鮮さを保っています。モチモチとしておいしく、量の多いタピオカにはこだわりがあり、消費者から非常に好まれています。

 実は50嵐の商品単価は他のドリンクスタンドチェーンよりも高いのですが、商品の品質を守り低価格競争には加わらない戦略によって、独自のブルー・オーシャンを切り開いたのです。

1年の修行を義務付け

 同社、各地の嗜好(しこう)の差や価格受容性に応じて全土を5つのブロックに分け、それぞれ独立したフランチャイズ本部を置いて、ブロック内のフランチャイズ店の管理に責任を持たせています。

 通常、フランチャイズチェーンには加盟金を支払えば加わることができますが、50嵐の場合はフランチャイズ店で最低1年間働くこと条件を求めます。この制度によって店長は店の運営を細部まで知り尽くすことができます。同時に1年間店で働くことで店長の資格を得られるようにもしています。アルバイトもその心積もりで働くようになるため、かなり賢い奨励制度と言えるでしょう。

 50嵐の店舗は最も食欲を起こさせる黄色を看板に採用、スタンドや内装もデザイン感のあるものにして、ファッション感を演出しています。良い設備を用意し良い材料を使ってこそ、消費者に最高の品質の商品を提供できるというのがまさに同社の理念です。50嵐は優れた品質イメージと知名度によってブランド力を高めたことで、ドリンクスタンドチェーン業界の激しい競争から一歩抜け出した感があります。 

荘建中

荘建中

ワイズコンサルティング社高級顧問

 年間200回以上のセミナー講演を行い、法律、経営、人事、財務、人材育成など、多岐にわたるテーマを幅広く扱っている。なかでも難解な内容をわかりやすく伝えることに定評があり、参加者から高い評価を得ている。ワイズのエース講師として、どんなテーマにも柔軟に対応でき、ユーモア有る話術で魅力的な講演が可能。(言語)中国語◎

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