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今回は、台湾で草花をテーマにした滞在観光型のレクリエーション施設「薫衣草森林」を創業した林庭妃、詹慧君の両氏を紹介します。
ハーブの香りにあふれた店内
「薫衣草森林」は、台中を中心に6つの店舗ブランド▽薫衣草森林(台中新社、新竹尖石、苗栗明徳)▽桐花村餐庁(苗栗三義)▽緩慢民宿(新北金瓜石、北海道、花蓮石梯子)▽香草鋪子(台中新社など全12店)▽心之芳庭(台中大坑)△好好(台中西屯)──を持つ自然体験型施設を経営する会社です。店舗形態はレストラン、民宿、ハーブ販売、結婚披露宴会場と多岐にわたりますが、どのお店も野草という切り口からゆったり自然と触れ合って遊ぶことを目的とし、店内はハーブの香りで満ちあふれています。
薫衣草森林の発祥地は台中新社。2001年、ピアノ教師をしていた林庭妃氏と銀行で6年働いていた詹慧君氏が、台湾に自らの手でラベンダーの森を作って、多くの人に来てもらいたいという夢のために、仕事を辞めて当地の山の麓にハーブ園のある喫茶店を開いたのです。
スローライフ志向の先駆け
お店のコンセプトは、「環境良好で文化の薫る気軽なレストラン」で18~39歳の女性をターゲットとしました。当時、台湾にはこうしたスローライフ指向のお店が少なかったため、OLや若者の支持を得ました。
創業の地で手応えを得た林・詹両氏は台中以外にも出店していきますが、当初のコンセプトを守るためにサービスの質にこだわり続けます。特に彼らが重視したのは以下の2点です。
1つ目は、真心と友達と接するかのような親しみを込めたサービス。例えば、顧客のクレームにはすぐに対応したり、「ほほえみ天使」と呼ばれる特別スタッフを設けて顧客とのコミュニケーションに徹し、その要望にいつでも応えられるようにしました。
2つ目は、通年の豊富なレクリエーション活動です。1週間ごとに異なる催し物を用意、バレンタインデーやクリスマスといった記念日の他、自然や景観に触れ合うことを重視したイベントを用意しています。例えば、バレンタインデーに「好きですと叫ぼう」キャンペーンを行い、カップルディナーを注文すると恋人証書がもらえたり、また時には美しい景観の屋外で音楽を聴いたりできます。
スタッフ全員がこのサービスを常に実践することで、顧客は創業者2人が考えたコンセプト通りの素敵でロマンチックな体験を享受できるのです。
こうした顧客の体験は記念品の購入や次回の来訪といった消費活動を促す効果も持っています。創業者の1人、詹慧君氏は13年1月がんのため亡くなってしまいましたが、創業者2人の夢を乗せた「薫衣草森林」は、今では台湾で有名な自然派ブランドに育ちました。
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