記事番号:T00072372
金融持ち株会社、富邦金融控股を中核とした企業グループ、富邦集団董事長の蔡明忠氏は、弟の蔡明興氏(富邦金控董事長)と合わせて資産総額が100億米ドルに上り、米経済誌フォーブスの2017年版の台湾長者番付で3年連続の首位となった人物です。
富邦集団の始まりは、父親の蔡万才氏が兄らと創業した国泰集団から79年に分社化した、損害保険会社の国泰産物保険(後の産物保険)です。蔡明忠と明興兄弟の的確なM&A(合併・買収)推進で、富邦集団は▽通信▽建設▽小売り▽レジャー▽慈善事業――などを傘下に持つ一大グループに成長しました。蔡万才氏は14年にこの世を去りましたが、従来より兄弟で事業を分担して引き継いでおり、長男の蔡明忠氏がグループを率いています。
アイデアは兄、実行は弟
兄の蔡明忠氏は新しい発想や提案、弟の蔡明興氏は投資の実行を得意とし、2人の連携により富邦集団は急速に拡大しました。
富邦集団は00年、シティバンクと提携したほか、02年には台北銀行を落札し、08年にはINGグループの生命保険会社、安泰人寿保険を買収するなど、金融業界で次々に買収を成功させました。05年に台北銀行と富邦銀行を合併させ、台北富邦銀行と行名変更するなど、金融機関に「富邦」の冠を付けるのが蔡兄弟のやり方です。
金融業界以外では、通信キャリア大手の台湾大哥大(台湾モバイル)の経営権を03年に取得しました。05年にテレビショッピングmomo購物台を開局したほか、ケーブルテレビ(CATV)大手の太平洋聯網、続いて凱擘(kbro)を買収し、ケーブルテレビ市場ではシェア31%以上で首位に立ちました。
投資の3原則
蔡明忠氏は、投資の3原則として▽将来なくならない産業▽現金収入が得られ、キャッシュフローが良い▽利益が安定している――を挙げています。金融、通信、テレビショッピングはいずれも投資の3原則をクリアしています。
蔡明忠氏は17年6月、公益信託に富邦金控の株式1億株、台湾大哥大の株式3,000万株を寄付しました。これにより毎年、配当金の約3億6,800万元が慈善事業などに役立てられます。これは金融持ち株会社の代表者が公益信託を行った初めてケースです。蔡明忠氏は、ビジネスの事業拡大だけでなく、慈善事業にも熱心なことがうかがえます。
早期定員につき、追加開催!【8月24日開催】
〜1日でワンランク上の考え方を身につける〜
台湾人幹部のための思考力強化セミナー
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/72045.html
講師:ワイズコンサルティング 顧問 荘建中
使用言語:中国語
荘建中
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722