記事番号:T00000090
以前「3ヶ月で中国語を話し始めていない人は、駐在期間中に話せるようにならない」という経験則を紹介しましたが、3ヶ月以内に話し始めた人にも「台湾駐在3ヶ月後の罠」が待ち受けています。
3ヶ月程暮らしていると、誰でも幾つかの単語は聞き取れる様になってきます。
当然自分の姓の中国語くらいは聞き取れるようになるのですが、これが新たなストレスの溜まる原因となるのです。
●事例
販売会社T社の橋本氏は、T社上海拠点を初代所長として立ち上げた。
ビジネスが軌道に乗り、日本語のできる現地人責任者が育ってきたので、台湾現地法人の總経理として赴任してきた。
上海拠点より台湾現地法人の方が歴史は有るものの、業績は長期低迷を続けていたため、本社より立て直しの任を受けたのである。
橋本氏は上海には3年間駐在していたが、スタッフは皆日本語が上手く、優秀な通訳がいたために北京語は全くと言ってよい程話せなかった。
橋本氏が赴任した時に驚いたのは、台湾現地法人では歴史があるにも拘わらず、日本語の上手なスタッフがほとんどいないことである。
通訳のレベルも上海の頃と比べると大幅に見劣りしていた。
T社で扱っている製品は上海市場では成長分野に属するが、台湾市場では既に成熟分野に入っており、全世界で台湾市場の販売価格が一番安くなっていた。
当然、荒利率も低く、上海ほど優秀な人材を採用する事が難しかったのである。
橋本氏は赴任早々、通訳を連れて顧客・代理店を精力的に訪問し、現状把握に努めた。
そうして主要な顧客と代理店とは定期的にミーティングを実施し、売上向上に繋がるよう、自ら問題解決を行う事にした。
ミーティングでのやり取りでは、上海の頃と違い通訳があまりあてにならないので、橋本氏も相手の話に聞き耳を立てて理解しようと努力した。
3ヶ月も経つと、知っている単語を繋ぎ合わせて、大体の内容は想像できるようになっていた。
この頃から少しずつ気になっていたのは、休憩時間や食事をしている時で自分が加わっていない会話中に「橋本」という言葉が度々聞こえてくるのである。
時には笑っていたり、時には大声で怒鳴り合ったりしている会話で出てくる。
聞き耳を立てても話の内容は聞き取れないが、多分自分の事を笑い者にしていたり、陰口を言われているのではと想像してしまう。
ミーティング中はお互い友好的に共通の問題点に対し解決策を考え、誠意を持って本社に掛け合いながら対応しているのに、と人間不信に陥りそうである……。
● 解説
言葉が少しわかってくると、自分の名前を聞いてしまい話の内容を想像する事があるがほとんどが誤解である。
聞いている本人は誤解とは思わないので
1. 似たような発音の単語との聞き間違い。
2. 元々大した事でなくても声を荒げる人が多いので、悪い方に誤解して想像する。(特に台湾語)
という場合が殆どで、気にしないのが一番です。
実際に本人が近くにいるのに陰口を言う時は、ほとんどが仲間同士でしかわからない固有の「隠語」を使うようです。
ワイズコンサルティング 吉本康志
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