記事番号:T00103145
米国の全地球測位システム(GPS)製品大手、ガーミン(Garmin)は1989年にエンジニアだった故ゲイリー・バレル(Gary Burrell)氏と、台湾の高明環(Min H. Kao)氏が共同で設立しました。ガーミンという社名は、創業者2人の名前の一部、GaryとMinに由来します。
今日では世界83カ所に拠点があり、従業員は1万9,000人に上ります。米国カンザス州オレイサに本社を構え、台湾にアジア本部と生産拠点があります。台湾で製品の90%を製造しています。
2021年の連結売上高は、前年比19%増加の49億8000万米ドルで、6年連続で成長しました。粗利益率は58%、1株当たり純利益(EPS)は5.82米ドルでした。
2人合計92歳で起業
高氏は1949年に南投県竹山鎮で生まれました。71年に台湾大学電機工程学系(電気工学部)を卒業し、米国のテネシー大学に留学しました。
留学期間中、教授から「良いエンジニアになるため、一番難しいことから学べば、現実社会でのできごとは容易に解決できる」と言われました。その後、困難や挫折にぶつかるたびに、この言葉を思い出しました。
大学院で博士号を取得後、米国に残り、地元のGPS会社に就職しました。83年に会社の同僚のゲイリーと初めて、GPSの応用技術の開発に取り組みました。ただ、会社はこの研究開発に投資したがらず、89年、高氏は米国の自宅を売却し、ゲイリーと400万米ドルを準備し、台湾国際航電を設立しました。高氏が40歳、ゲイリー氏が52歳のときでした。
湾岸戦争で知名度向上
創業当初の英文社名はProNavでしたが、他社の商標に抵触する恐れがあったため、91年にガーミンに変更しました。当時、GPS技術はまだ成熟しておらず、高氏は1年かけて衛星から送られるマイクロ波を解読し、経緯度のデータベースを構築し、民間で初めてのGPSナビゲーション端末を開発しました。
91年の湾岸戦争で、米軍がガーミンの携帯型GPSレシーバーを使用したことから、ガーミンは一躍有名になりました。
98年には世界初のGPS内蔵携帯電話「NavTalk」、自動車用GPSナビゲーション端末「StreetPilot」を発売しました。
2000年、米国のナスダック市場に上場しました。
05年以降、ガーミンはランニングや登山、サイクリングなどアウトドアに市場を拡大しました。
どんなものも商品になると、ガーミンは毎年、売上高の17%を研究開発(R&D)費に充てています。高氏は、晴れの日も雨の日のこと忘れないように、研究開発に投資し続けることで、新たな競争力が生まれ続け、リーディングカンパニーの地位を維持できるのだと語っています。
エコノミークラス利用
普段の高氏はとても素朴です。社用車は使用せず、秘書も雇わず、飛行機はエコノミークラス、空港からホテルまではシャトルバスで移動します。
マネジメントは、トップダウンでなく、従業員に権限を与えます。自分の考えがあっても、ストレートに言うのでなく、従業員が自分で解決策を見つけられるように導きます。
昨年10月に発表した育児手当制度では、従業員の子供が6歳になるまで、毎月1万台湾元(約4万5000円)、総額72万元もの育児手当を支給しています。
〜ミドルマネジャーは戦術を策定し、指揮するキーマン!〜
台湾人向け管理者研修
講師:ワイズコンサルティング 高級顧問 荘建中
台北・台中・高雄で6月、8月開講!
荘建中
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722