コラム

記事番号:T00011092
2008年10月24日0:00
 
 むかしある兄弟が、ふと思い立って、気球に乗ってみることにしました。しかし、空に浮かび上がってから、どうやって着陸したらいいのか分からないことに気付きました。

 気球は飛行を続け、大草原の上までやってきました。草原で馬に乗っている人を見つけた兄弟は、大きな声で呼び掛けました。「おーい、そこのお方、ここは一体どこですか?」。その人は「ああ、そこは気球の上だね!」と答え、そのまま駆けていきました。弟が「兄さん、あの人は誰?」と聞くと、兄は答えました。
 
 あれは部長だよ。言ってることには間違いないけど、全然役に立たないんだ。
 
 気球はそのまま飛び続け、また草原で馬に乗っている人に出会いました。今度は少し賢くなって、「おーい、そこのお方、降りるにはどうしたらいいでしょうか?」と大きな声で叫びました。するとその人は、「ああ、その縄を切れば勝手に落ちるだろうね」と答え、行ってしまいました。弟は再び「兄さん、あの人は誰?」と聞き、兄はこう答えました。
 
 あれは課長だよ。問題解決はできるけど、こっちの生き死にはお構いなしなんだ。

 気球はさらに飛び続けましたが、ついにガスがなくなり、下降し始めました。目の前に切り立ったがけが迫ってきました。兄は素早く気球から飛び出しましたが、弟は気球と一緒にがけの下まで落ちていってしまいました。

 するとそこにまたも馬に乗った人が通りかかったので、兄は助けを求めました。その人はゆったりと「この崖は高くない。弟さんにどうやって登ったらいいか教えて差し上げよう」と答えました。
 
 方法は3つ。A:左手と右足、右手と左足の組み合わせで登る。B:左手と左足、右手と右足の組み合わせで登る。C:左手と右手、左足と右足の組み合わせで登る。

 兄がこの人とどの方法がよいか話し合っていると、弟はもうAの方法で登り始めていました。その人は見つけるなり、怒ってがけの方に駆け寄り、弟に怒鳴りました。「みんなBを使ってるんだ、もう一回やり直し!」。

 弟が渋々Bの方法で登り直すと、その人は満足して去って行きました。弟が「兄さん、あの人は誰?」と聞くと、兄は答えました。

 あれは主任だよ。どの方法も使えるのに、言う通りにしないとひどい目にあうんだ。

 この話はインターネットで伝わっている笑い話で、平社員による上司に対する皮肉です。しかし、すべての管理職にとって、以上の間違いを犯していないかどうか、一考に値する内容でしょう。

 私が考える管理職の基本的な心構えは3つあります。

1.上の意を受け下を動かし、任務を遂行する
 
 部下が会社から与えられた目標を達成するのを手助けします。嫌みを言うだけでなく、上と下のパイプ役になる必要があります。部下に適当に仕事をやらせて、困難に直面しても、まったく目もくれない「権限」の意味をはき違えている管理職もいますが、私はこういう管理職を「権限を持った」ではなく、「棄権してしまった」と表現しています。

2.部下を理解し、気を配る
 
 部下の信頼を勝ち取るには、部下に対し常に誠意をもって気に掛けていることを示し、問題が起きたとき、いつでも相談したり話し合ったりしやすいようにしておく必要があります。会社の立場に立つことも必要ですが、同時に部下の置かれた立場も考えなければなりません。こうすることで初めてチームワークが発揮できるのです。
 
3.部下を育て、潜在能力を引き出す
 
 部下に自分のやり方だけに従うよう仕事をさせてはいけません。コーチングのテクニックを使い、部下が自発的に問題解決の方法を模索する力を引き出しましょう。部下に問題をさまざまな角度から検討させ、解決するためのアイデアを出させましょう。実際にトライさせれば、さらに効率を上げることができるでしょう。
 
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