第37回 消費券をめぐるマーケティング戦略


コラム 経営 台湾事情 2009年1月9日

台湾流経営策略 台湾の経営手法

第37回 消費券をめぐるマーケティング戦略

記事番号:T00012703

 
 来週日曜日(1月18日)から、2009年3月31日までに生まれた台湾住民(外国人配偶者を含む)であれば受け取りが可能な、3,600台湾元(約1万円)分の「消費券」配布がスタートする。800億元以上の商機が生まれることになり、何とか売上向上に結び付けようとあらゆる業界が躍起になっている。

ユニークな戦略続出

 変わったところでは、映画館チェーンが「消費券を映画パス(9カ月間無料で映画が見放題)」キャンペーンを実施する予定で、台湾独特の「ビンロウ・スタンド」でも「3,600元の消費券で4500元分のビンロウ(無期限で使用可能な額面100元の交換券、『双子星』90箱1,620粒分)が手に入る」というキャンペーンを打ち出している。

 さらには、春節(旧正月)が近づき、新年の厄よけにと灯明を供える儀式が始まっている寺院の一部でもこうした儀式にかかる賽銭(さいせん)でも消費券が使えると宣伝カーで呼び掛けている。

 また各県や市の地方政府は、消費券を地元で使ってもらおうとさまざまな賞品が当たる抽せん活動を計画している。各県市が予定する賞品は以下の通り――

台北県...計1億元分の賞品(県政府が3,000万元分、地元企業が7,000万元分を提供)、最高賞品は時価300万元以上の金塊

台中市...最高賞に広さ50坪の1,000万元相当の豪邸

台中県...1等の1,600cc高級車を含め毎月200万元分の賞品

彰化県...最高賞に郷鎮拡大都市計画区緑園道沿いの土地約30坪(600万元相当)

苗栗県...高級自動車10台

澎湖県...特賞として県内無人島の1年間使用権など

 なお、台北県がインターネット上で消費券を地元で使ってもらうためのアイデアを募ったところ、最も多かったのは「家をプレゼント」の44%で、これに「業者の割引セール実施」の19%、「自動車をプレゼント」の14%が続いた。

「台湾精神」呼び覚ます

 行政院新聞局では、商店などで参考にしてもらって消費券による消費拡大効果を最大化すべく、「消費券使用アイデアコンテスト」を開催している。1等賞金は10万元で、審査基準は実行可能性、独創性および話題性だ。募集を開始して3週間で既に6,000件のアイデアが集まっており、新聞局ではまず200件のアイデアを選出し、1月15日からインターネット上で公開する予定だ。

 消費券は台湾経済を刺激するという目的を担うだけでなく、民間の活力と創意を誘発するという効果も発揮している。一定の期間だけ使える3,600元の臨時収入という魅力が、停滞していた消費市場に活気を取り戻させ、生き残りための苦労をいとわない、台湾人と台湾企業の精神を呼び覚ましたようだ。

 本来春節前は消費のハイシーズンとなるため、商店などでは積極的な優待セールを実施しないが、わたしは消費券が不景気の中で消費者の消費意欲を巻き起こし、規模の大小にかかわらず多くの経営者が良い年を迎えられると信じている。


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