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第13回 燦坤集団創業者 呉燦坤氏


コラム 経営 台湾事情 作成日:2007年9月3日

台湾流経営策略 台湾の名経営者

第13回 燦坤集団創業者 呉燦坤氏

記事番号:T00002423

 
 明るい黄色の看板がトレードマークの家電販売、燦坤集団は、呉燦坤氏らによって1978年5月にスタートした当初は、小型家電のOEMが中心だった。それなりに知名度が上がり、受注も増えたが、「独自ブランドがあってこそ経営が続く」という信念を持つ呉氏は、「欧州、日本の家電の風格がある」という意味を求めた「EUPA」というブランドをスタートさせた。

 1990年より開始した家電流通事業「燦坤3C」は今や業界首位となり、店舗数221店、社員数4,000人を数える。経済誌「天下雑誌」の「サービス企業上位500社」で20位、「商業週刊」の「両岸三地企業ランキングでも180位の大手企業となった。

略奪式マーケティング   

 呉氏独自の理論によると、あらゆる業界において、第一段階で「ゲーム」に参加できるのはランキング5位までで、しかも利益を出せるのは3位まで、6位以下は淘汰される運命にある。第2段階では、利益を出せるのは上位2位までで、最終段階では1位のみが生き残れる。そのため呉氏は、自身で「略奪式マーケティング」と呼ぶ方法で、1位をつかむために全精力を傾けてきた。

 燦坤3Cは2002年、42インチ型プラズマテレビを、当時としては世界で最も安い9万9,000台湾元で発売し話題をさらった。ライバル企業も追随したが、事実上一緒に値下げをしてきた業界の足並みがそろわなかったのは初めてのこととなった。燦坤はこうした先行的な値下げをフラットディスプレイ市場で繰り返し、好業績を上げていった。

 研究と教育を重視   

  呉氏が企業経営で最も重視するのは、研究開発(R&D)と教育訓練だ。販売が特別有名になったが、同社はホットプレート、アイロン、コーヒーポッド、トースターなどの小型家電の生産で世界一で、新製品のR&Dは年間320項目にも上る。1.14日に一つの新製品が新たに生み出される計算だ。こうしたスピード感のあるR&Dは、まさに同社の競争力だ。

 また、221店舗の各店長はアルバイト出身が少なくない。やる気さえあれば、アルバイトでも積極的に育てる企業文化があり、業績が良ければボーナスもはずむ。

 店内スタッフのボーナスは、毎月、毎四半期、および春節ごとに与えられるが、優秀な業績を上げれば会社の株ももらえる。店長は半数以上が、台湾で高給の一つの指標である「年収100万元以上」を得ている。より重要なのは、会社の評価システムが社員にはっきり理解されることで、社員は意欲を高め、同時に社員管理にも有効だ。

4つの重点     
 
 燦坤の経営戦略は、以下の4点にのっとって行われている。

1)情報武装化 徹底した価格調査活動により、店舗のある商圏の商品価格動向を把握する。競争相手の情報は、いかなるものでも報告し、対応する。

2)多店舗化 全土どこでも消費者が燦坤3Cでほしい物を買えるようにする。

3)差別化 競争相手が持たない強みにより、差別化したサービスを行う。

4)顧客密着化 会員制度による顧客把握で、一度燦坤3Cで買い物をした顧客に、再度来店したいと思わせる。

 呉氏の経営姿勢は非常に強気であるため、問題が生じた時は強いバッシングを浴びるケースが多い。今年7月、米国子会社を舞台とした違法な株式取引事件で、3年6月の一審有罪判決を受けた。常に激しい毀誉褒貶にさらされる「黄色い巨人」、それこそが呉氏の姿だ。

ワイズコンサルティング 荘建中

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