記事番号:T00000025
●労退新制
2005年7月1日より、「労工退休金条例」(労工退休新制度:労退新制)が施行されました。
簡単に申し上げますと、旧制度は定年退職者が決まった額の退職金を受け取れる「確定給付制」から、毎月定額を拠出する「確定拠出制」に変更になるわけです。
弊社にお問い合せ頂いております相談内容からしますと、
1. 新旧制度の仕組みや違いが理解できていない
2. 新制度に対する認識が間違っている
3. 新制度のリスクを理解していない
4. 実際に何をやればよいのかが不明確
5. 新制度についての対策が間違っている
等のケースを多々お見受けいたします。
そこで、労退新制について分かりやすく説明するとともに、事例などを交えながらリスクの把握と対策についてもご紹介させていただきます。
● 労退新制の概要
労退新制について法律を羅列し、難しく説明されている事が多いのですが、実際は非常にシンプルなシステムです。
下図は陳さん(仮名)の一生をモデルにして、労退新制をわかり易く説明したものです。
●労退新制の概要労退新制について
法律を羅列し、難しく説明されている事が多いのですが、実際は非常にシンプルなシステムです。
図(次ページ)は陳さん(仮名)の一生をモデルにして、労退新制をわかり易く説明したものです。
まず、陳さんは学生時代に飲食業の店アルバイトをしました。
陳さんは店から賃金を受け取りますが、店は陳さんへの賃金支払いと共に毎月労工保険局の陳さん口座に賃金の6%を積立てなければなりません。
次に、陳さんは卒業後、社で技術者として勤務しました。
このとき、社は陳さんへ賃金を支払うと供に、賃金の6%を同じく労工保険局の陳さん口座へ積立て義務があります。
陳さんは結婚を機会に社で設計者の仕事に就きますが、社でも同じく賃金を支払うと共に賃金の6%を積立てを行なわなければなりません。
陳さんは60歳になった時点で、退職金を一括で受け取るか、年金方式で受け取る事ができます。
労退新制の特長は
1. 死亡しても遺族が受け取る事ができる。
2. 企業が倒産したり、転職を幾ら繰り返しても、退職金は受け取る。
3. 正社員に関わらず、アルバイトや臨時社員でも受け取れる.
等、多くのメリットがあり、ほとんどの人が退職金を受け取る事がでなかった旧制度よりも格段に良くなっています。
ワイズコンサルティング 吉本康志