記事番号:T00046881
妖怪が出たぞ!どこどこ?見た~い!
週末の午後になると、南投県の竹山鎮から鹿谷郷、渓頭にかけて「渓頭妖怪村」に向かう車で渋滞になります。妖怪村は入り口に鳥居、ちょうちんが灯る古めかしい日本的な建物が立ち並ぶテーマパーク。レストランや会議室を擁するホテル「渓頭明山森林会館」やショピングゾーン「松林村」などがあり、近くにある森林公園「渓頭森林遊楽区」でハイキングも楽しめます。
駐車場には観光バスも並んでいます(YSN撮影)
ぼろホテルを再生
妖怪村を営む渓頭明山森林会館は、南投県で指折りの、家族経営の老舗ホテルでした。3代目総経理に林志頴氏が就任したのは1999年9月21日の台湾中部大地震の後。当初6年間は同地の観光産業にとって最も悲惨な時期で、一時は5人まで減った従業員とともにホテルを守り続けました。その後、景気は上向きましたが、築30~40年のぼろホテルには客足が戻りませんでした。
林志頴氏は、海外の古城や歴史的建造物を利用したホテルを思い起こし、あるアイデアにたどり着きました。祖父の林胆氏が山林の中で出くわした奇妙な体験を基に、妖怪村ストーリーを中心に据えたテーマパークを作ることです。
物語性のあるテーマパークに
1909年のある日、林胆少年は竹林の渓谷で偶然、ウンピョウの子どもを見つけました。痩せ細った姿をふびんに思い、家に連れて帰り「八豆」(テーマパークの妖怪「八豆妖」の起源)と名付けて世話をすることにしました。
ある晩、家に腹を空かせた黒い熊が出没し、食べるものはないかとあさっていました。林胆少年は恐れることなく、黒熊に魚の缶詰を10個以上与えました。翌日になると、この黒熊が家の玄関前でぐうぐう寝ていました。林胆少年は追い払うこともせず、毎日食べ物を買って黒熊に与え、「枯麻(くま)」と名付けてかわいがりました。
何年もたつと、この2頭の食べる量が成長とともに増えてしまい、林胆少年は世話をし切れなくなりました。泣く泣く2頭を野に放し、犬2匹との生活に戻りました。
ある晩、謎の妖怪が家に現れ、林胆少年を襲いました。老犬2匹が必死で抵抗したものの、妖怪にあっという間にのみ込まれてしまいました。「あー!」林胆少年の悲痛な叫び声が森林に響き渡り、ウンピョウ八豆の耳まで届きました。
八豆はすぐさま林胆少年の家に駆け付け、妖怪に立ち向かいました。ところが妖怪に倒されてしまい、絶対絶命のピンチに。
そこに背後から黒熊の枯麻が現れ、妖怪と激しくもみ合いました。戦ううちに、枯麻の胸にできたV字の深い切り傷がまるで十字架のように光り出し、妖怪は驚いて退散しました。おかげで村に平和が戻りました。
京都の再現が夢
このストーリーを基に、老犬2匹と八豆を祀る祠(ほこら)や、八豆と林胆少年(日本名・松林勝一)の像が建てられ、日本的な建物の土産物店や小吃(屋台料理)店が立ち並ぶ「松林村」が誕生しました。かわいらしい妖怪のキャラクターや和服姿の店員が雰囲気を盛り上げます。週末には大道芸人が登場したり、天狗の太鼓ショーが催されます。
松林村の土産物屋ではキャラクターグッズも販売しています(YSN撮影)
林志頴氏が伝統に忠実、かつ改革に積極的に取り組んだ結果、ぼろホテルは息を吹き返し、従業員は160人まで増えました。将来はコテージが並ぶ「童話の世界」ゾーンを取り壊し、京都を完全に再現して、妖怪たちを住まわせるのが夢です。
【渓頭妖怪村】
http://www.mingshan.com.tw/
荘建中
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722