記事番号:T00092342
全国動物医院は台湾最大手の動物病院グループです。台湾で初めて夜間の救急外来を設置しました。分院は15軒あり、北・中・南部で救急外来を受け入れています。ペット用品店との提携による分院もあります。
ペットショップに隣接する台中市北屯区の北全分院
初の総合病院
同院の執行長を務める陳道杰氏は、屏東科技大学で獣医学系で学び、開業医を目指していました。しかし、陳氏が獣医を目指していた30年前、獣医は人気のある職業ではなく、家族など周りの人々に反対されました。
それでも獣医になると決めた陳氏は渡米し、米国最大手の動物病院グループ、バンフィールド・ペットホスピタルで、▽最新の医療設備▽細分化された診療科▽組織管理▽異業種連携──などに触れました。米国での経験は、陳氏が開業する上で重要な基礎となりました。
帰台した陳氏は1989年、父親の援助300万台湾元(約1,100万円)を元手に、台中で全国動物医院総院を開設しました。動物病院といえば小さな診療所が一般的だった当時にしては、陳氏の病院はとても規模の大きいものでした。
院内に入れば、係が出迎え、問診票の記入をサポートし、待合室では飲み物を無料でサービスしました。▽循環器科▽腎臓科▽腫瘍科▽眼科▽行動診療科──など13の専科を設け、それぞれ専門医が診療します。人間の診療にも用いるレントゲンやCTスキャンなどもそろえました。手術の前には必ず採血してペットの健康状態を確認するなど、米国のやり方を採用したことで、料金は同業より2割増しでした。
ペットショップと提携
奮闘の末、10年後の2000年、初の分院を設置しました。その時から陳氏は、獣医やカスタマーサービス、事務員向けの業務マニュアルを制定しました。また、北部や中部のペット総合専門店と提携し、医療サービスを提供しました。初診・ワクチン1回無料というサービスが評判を呼び、飼い主の間で口コミが広がりました。
こうした獣医界に今までなかった方法を取り入れ、05年には全国動物医院の分院は15軒まで拡大しました。
サービス業から学ぶ
陳氏は、動物病院はペットだけでなく、飼い主に対する接客も大事だと考えました。そこで従業員を率いて2年間、亜都麗緻大飯店(ザ・ランディス)総裁だった、台湾のホテル業の父と呼ばれる厳長寿氏が経営する一流ホテルや、レストランチェーン大手の王品集団を訪問し、「感動するサービス」を学びました。
言葉を話せないペットを安心して任せられると、飼い主の信頼を得ることが大事と、陳氏は語ります。
動物病院としてのCSR
全国動物医院は台湾の獣医界で初めて▽動物リハビリテーション科▽イヌ・ネコ問診マニュアル──を導入するなど、業界をリードしてきました。
それだけでなく、動物病院にも企業の社会的責任(CSR)が重要と考え、▽アジア動物福利協会(AAWA)▽アジアペット博物館──を設立し、野良犬や動物保護問題など、命の尊さを伝える教育活動にも取り組んでいます。博物館には年間5,000~6,000組の親子を招いています。このほか、獣医や動物保護を学ぶ大学など教育機関の実習生を受け入れています。
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