第157回 六角国際事業董事長 王耀輝氏


コラム 台湾事情 2019年8月16日

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第157回 六角国際事業董事長 王耀輝氏

記事番号:T00085250

 飲料スタンド「チャタイム日出茶太」などを展開している六角国際事業(ラ・カッファ・インターナショナル)は、2015年にタピオカミルクティー店として初めて株式を店頭公開しました。18年7月には、仏パリのルーブル美術館に直結するショッピングセンター(SC)「カルーゼル・デュ・ルーブル」に、スターバックス、マクドナルドに続く3店目の飲食店として、チャタイムをオープンしました。唯一のアジアの飲食ブランドで、台湾タピオカミルクティー産業にとって歴史的な出来事となりました。

 同社は、売上高の60%を占めるチャタイムの他、傘下に▽コーヒー・軽食店「La Kaffa六角咖啡」▽ケーキの「春上蛋糕」▽「和心とんかつあんず」▽ギョーザ「大阪王将」▽牛カツ「京都勝牛」──などの飲食店があります。18年の連結売上高は38億6,000万台湾元(約130億円)に上りました。

会社員から起業家に

 六角国際事業の董事長、王耀輝氏はもともと、新竹のハイテクメーカーの業務経理で、妻は投資信託会社に勤め、2人で年収300万元を稼いでいました。

 ある日、王氏は講演会で「男なら35歳までに起業すべき」との言葉を耳にし、起業を決意します。決して後戻りできないよう、妻を説得して2人で退職しました。

 王氏は友人6人と資本金1,000万元を用意し、六角国際事業を共同で設立しました。社名の六角は、6人の株主という意味です。

 04年、1号店として新竹県にテークアウトのコーヒー店、「La Kaffa六角咖啡」をオープンしました。翌05年に飲料スタンド「茶太屋」をオープンし、後に「チャタイム」に改名しました。由来は、Cha(茶)を飲むTime(時間)です。

製造業の概念を導入

 王氏は、台湾の市場規模は小さく、ハイテク産業が世界を相手にしていたことから、起業後も独自ブランドを世界に売り込もうと考えました。

 05年当時、一般的な飲料スタンドでは、感覚に頼って飲料を作っていました。王夫妻は、飲料業の素人でしたが、これまでのハイテク業や金融業での仕事の経験から、世界に売り込むには、標準化、規格化が必須と考えました。

 そこで大金をつぎ込んで、茶の濃さや粉ミルク、砂糖の分量まで制御できる自動煮出し機の研究開発(R&D)をメーカーに依頼しました。

 さらに08年、ベンチャーキャピタル(VC)から7,500万元の投資を受け入れました。

地元企業と提携

 王氏の経営哲学は、カンフー映画のセリフにある「唯快不破」です。これは、準備が完全に整わなくても行動を起こし、その都度修正しながら常に前に進むという意味です。

 08年、チャタイムは上海で一挙30店舗以上の直営店をオープンし、海外に進出しました。しかし、1年足らずで全店閉鎖に追い込まれ、損失1億元以上を計上しました。

 王氏は、失敗した原因は出店を急ぎ過ぎ、従業員のトレーニングが不十分だったことや、原材料をうまく確保できなかったことなどだと考えました。

 そこで王氏は、飲食業には現地パートナーとの提携が必要と悟りました。

 当時、タピオカミルクティーの海外へのライセンス供与は前例がなく、王氏はマクドナルドやバーガーキングから優秀な人材をヘッドハンティングし、その経験を学び、自社流にアレンジして取り入れました。

 09年、代理店方式で香港とオーストラリアに出店しました。10年以降も店舗網を次々と広げ、今や▽英国▽フランス▽フィリピン▽インドネシア▽オーストラリア▽カナダ──のハンドシェイク飲料店市場でシェア首位となりました。

台湾は人材育成の場

 チャタイムは世界41カ国・地域に900店舗ある一方、台湾は23店舗しかなく、人材育成センターの役割を果たしています。また、台湾本部で原材料の管理、ブランド確立、サービスやマーケティングを行い、市場の理解や対応は現地パートナーに任せています。王氏は、商品を売るのではなく、ブランド価値や飲料店の経営ノウハウを売っているのだといいます。

 チャタイムは、世界中どの店舗でも販売員に対し、まず中国語で「歓迎光臨」、続いて現地の言葉で「いらっしゃいませ」とあいさつします。王氏は、チャタイムを通じてタピオカミルクティー、そして台湾の存在を世界に知らしめました。


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