記事番号:T00000168
●採用2
良さそうな人材の履歴書を入手した後は、一般的には面接が行われます。
面接時の注意点として「台湾人は自分をアピールするのが上手い」と言う事を念頭において面接を行う必要があります。
例えば「私はこの業務のプロフェッショナルです」「その分野は私の専門で経験が豊富です」と聞くと「頼りがいがある」と感じますが、裏を返せば「それしかできない」と言えます。
「専門馬鹿」という言葉がありますが、馬鹿と言われるくらい狭く、深く、専門分野に精通していればよいのですが、台湾では「プロフェッショナル」「専門」と言う言葉は日本人の感覚とニュアンスが多少違うような気がします。
<事例9 弊社の面接風景>
「貴方はコンサルタントアシスタント職を希望されているのですね。」
「はい」
「弊社ではエクセルとパワーポイントを使う事が多いのですが、これらのソフトは使った事はありますか?」
「はい、両方とも以前の業務でよく使用していました。特にエクセルは自信があります。」
「ほう、どの程度使えるのですが?」
「ほとんど全ての機能を使いこなせます。」
「それはすごい、例えばマクロ機能も使えるのですか?」
「その機能は使った事はありませんが、必要であれば直ぐに使える様になります。」
「ピボットテーブルを使った分析はできますか?」
「やったことはありませんが、できる筈です。」
「それでは、相関関係を調べる関数は、何といいますか?」
「それはちょっと、わかりません」
「平均を調べる関数は?」
「それもちょっと、わかりません」
「そうですか、それでは、ある会社の売上と市場シェアの推移のデーターがあったとします。売上の単位は「元」です。
一方市場シェアの単位は「%」です。この二つのデーターを一つのグラフに表すにはどうしたら良いでしょう?」
「…わかりません」
「それなら、ここにある業界の市場シェアがあったとします。これを見やすく表すのには何グラフで表せばわかりやすいでしょうか?」
「…グラフは作った事がないので…」
「では、今まではエクセルで何をしていたのですか?」
「簡単な表づくりとか…」
その分野の事を深く知らない人ほど、自信を持っている事が多い。
先日日本人で、趣味でHPを運営している人と面接しました。
彼は「私のレベルは個人の趣味レベルです。」と言っていましたが、長年個人で智恵を駆使して運営してきただけあり、素晴らしいノウハウを持っていました。
そして彼から、私が考えていたができなかった事、今後の可能性についての提案をたくさん貰いました。
ここ2年ばかり探し続けていた弊社のWEB担当者に相応しい人材がやっと見つかったと思いました…
台湾では「~分野のプロフェッショナル」とよく使いますが、プロフェッショナルというのは自分が決める事ではなく、自分の仕事の結果、他人が評価する事ではないでしょうか?
ワイズコンサルティング 吉本康志