記事番号:T00032452
●急がば回れ?
ティーショットが林の中に入った時のこと…
顧客:「どこに打とうとしてる?」
吉本:「枝の間に打ってグリーンを狙います」
顧客:「一度、横に出した方がいいよ」
吉本:「最短距離を狙います!」 (>_<)
「エイッ!」
キン、コン…
顧客:「ほらね♪」 (^_^)
吉本:「次からは横に出すようにします」(T_T)
次のホール、また林に…
顧客:「オイオイ、どこ向いて打つ気だよ〜」
吉本:「今度こそ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
「エイッ!」
キン、コン、カン…
顧客:「あ〜あ、うちのコンサルタント変えようかな〜」(;^_^A
●「イチかバチか」はうまくいかない?
どうもゴルフというものは、「イチかバチか」はうまくいかない時の方が多いようです。
私の場合は、事例のように林に入れてしまった時や難しいポジションからのショット等がそれに当たります。
ポジションの悪い時も一緒に回っている皆さまに、「クラブを肩以上振り上げてはダメだよ」とアドバイスを頂きます。
でもボールは止まっているし、ちょっとつま先下がりなだけで、なんとかなりそうなのですが、欲張ってフルスイングした結果は…ご想像の通りです。
「なんとかなりそうで、なんともならない」のがゴルフらしいです。
「なんともならないもの」で思い出すのが、以前勤めていたコンサルティングファームの社長で、いつも講演で「なんともならないものが経営だ」と話していました。
真意は「経営とは実力以上のラッキーを求めても実力通りにしかならないのだよ」という意味だと思います。
十数年前、社員として勤務していた時は「社長、また同じこと言ってるぜ」と同僚と笑っていたものです。
自分で経営をしてみると「経営者として忘れてはいけない大切なこと」だと気づきました。
たぶん社長は「経営者が絶対忘れてはいけないこと」なので、毎回講演の度にしつこく、その話をしていたのでしょう。
(社長、あの時は笑ってゴメンナサイ<(_ _)>)
私も起業当初、行き詰まった時に何度も「イチかバチか…」と思いましたが、いつも「どうにもならないのが経営」という言葉を思い出し、踏みとどまることで15年以上も経営を続けてこれたのだと思います。
起業を考えている人や起業間もない人で私が「この人は無理だな」と感じる人に限って、「 イチかバチか挑戦してみたいんです」「運を試してみたいのです」と熱く語ります。
運試しならカジノでも行けば済むことで、自分の人生を賭けてまでバクチをする必要は無いと思うのですが…
●経営はバクチではない
私は「経営には絶対は無い」と思います。
「経営学でこうだから〜」「業界の常識としては〜」等、いろいろな考え方がありますが、これらはすべて過去の経験則です。
これらを踏まえた上であえて非常識に挑戦し、成功することで新しい常識になっていくのです。
ですから、「こうすれば絶対うまくいく」ということはあり得ず、基本を理解した上でさらにその上の方法を創造する必要があります。
例えば1人当たりの付加価値を表す「労働生産性」という指標があります。
公式は「付加価値額÷従業員数」ですので、「付加価値額」を上げるか「従業員数」を減らすことで労働生産性の値は向上します。
以前レストランの店長をしていたころ「労働生産性を上げよ」と本社から指示がありました。
私も含め各店の店長たちは「売り上げを上げる」「原価率を下げる」「人数を減らす」という方法に努力しました。
一時的に多少数値は良くなったものの、その後伸び悩みとなりました。
それよりも労働生産性を上げるために、「良い品質の料理やサービスの提供が犠牲になる」ことや「従業員たちの疲れ」が私の悩みでした。
「何とかならないものか」と考えていた時「従業員数を増やしサービスを向上することで、売上が大幅に上がれば労働生産性も上がるのでは?」という仮説を思いつきました。
そこで私の担当していた店では、キッチンとフロアーの人数を他店の2倍にしました。
当然本社からは「気でも狂ったか?」と毎日のように人数を減らすよう電話が来ますが、居留守等を使い取り合いませんでした。
そして3カ月後、サービスに満足したお客さまにたくさん来店していただけるようになり、売り上げが増加し始めました。
すると売り上げが増えたため、ロス率が下がり原価率が下がりました。
その結果、 付加価値額が増加し、人数を増やした以上に労働生産性が向上し、全店舗でNo.1の労働生産性を実現しました。
ゴルフの時も、もうちょっと冷静な判断を下せるとよいのですが…(;^_^A
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吉本康志
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